「直虎」橋本じゅんが明かす、政次を追い込んだ時の心境
橋本じゅんが、柴咲コウ主演の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(毎週日曜夜8:00‐8:45ほか、NHK総合ほか)に出演中。
橋本が演じるのは、井伊領を手中に収めた近藤康用で、“井伊谷三人衆”と呼ばれる今川家から井伊の目付を任じられた武将の一人である。また、政次(高橋一生)を死罪へと追いやるきっかけとなった人物であり、直虎(柴咲)や井伊谷にとって重要な人物だ。
さらに、第39回(10月1日放送)以降では、直虎に操られながらも井伊の領主として尽力している姿が特徴となっている。そんな近藤を演じている感想などを聞いた。
――近藤という人物をどのように捉えていますか?
無骨というか、不器用な人間ですね。ですが、直虎や政次と出会い、心のひだを増やしていく。そんな中で選択したベターな行動を起こして生きている。割と豊かな人生を歩んだ幸せ者だったのではないでしょうか。
――近藤という人物を演じる上で気を付けていることなどはありますか?
エッジの効いた野党というテーマを持って演じ続けています。また、非常に濃い表情のメークなので、普通に演じていると自分の目があまり映らないんですね。
なので基本、括目気味に目を見開いています(笑)。近藤という人物を通して、「舞台は戦国時代なんだ」という雰囲気を出していけたらなと思っています。
――近藤が井伊家を揺るがす存在になったことについての感想を教えてください。
台本を読んでいて驚くことばかりでした。政次を死に追いやるのが近藤だということも、最初に(高橋)一生君から聞いたんですよ。「僕、じゅんさんに殺されるらしいですよ」と言われて「えっ! マジで!?」となりました(笑)。
責任も重大な立ち位置ですので、僕なりに考えてドラマを持ち上げる精いっぱいのお芝居をさせていただいています。
――近藤は直虎のことをどのように考えていると思いますか?
近藤の思いなのか、自分の思いなのかは分かりませんが、直虎が取りたい行動、その気持ちは分かっていたと感じます。ですが、井伊家の目付という立場でもありましたから、「直虎に手を差し伸べたくても、差し伸べることはできない」という時代でしょうね。
また、直虎という人物は、そんな近藤の気持ちをも酌み取って次の言葉を選んでくれたりするんです。近藤は直虎を次第に信頼していくというか、僕が思うには尊敬という意味を込めて、近藤は直虎が大好きなんじゃないかな。
――森下佳子さんの脚本についての感想を教えてください。
全ての登場人物に手触り強く、それぞれの人生観が与えられていて、その人物たちがそれぞれにただ生きていくことで、物語がしっかりつながっている、秀逸な脚本だと思います。