
俳優の松山ケンイチが、7月11日に都内で開催された「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」公開記念舞台あいさつに登場。主演の田中圭、共演の小池栄子、宮澤エマ、梶原善、そして脚本・監督を務める三谷幸喜と共に役作りにまつわるエピソードなどを語った。
“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズの劇場版
同作は、三谷のオリジナル脚本で自ら監督を務める“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズ第3弾「三谷幸喜『おい、太宰』」の劇場版。2011年の「short cut」、2013年の「大空港2013」に続くシリーズ最新作となり、構想に約10年の月日をかけ、2024年秋に撮影された。今作は海辺を舞台に、太宰治を敬愛する平凡な会社員・小室健作が時代を超えて奮闘する“タイムスリップコメディー”として描かれ、劇場版ではWOWOWでの放送版にはない特別映像「もう一つのエンディング」が付いている。
松山は健作(田中)がタイムスリップした先で出会った太宰治役。太宰と同じ青森県出身の松山は、役作りについて聞かれると「結構東京暮らしが長くなっちゃって、ちょっとシティーボーイになっちゃったので」とニヤリとしつつ、「青森に戻ってRAB(青森放送)の内山千早さんという、“うっちゃん”って呼ばれている、青森では超有名人のうっちゃんに『教えてくれ!』とお願いして、青森駅近くの喫茶店に入って、2人でずっと方言練習していましたね」と、津軽弁の指導にも定評がある内山氏から方言を教わったことを明かす。
ただ、一口に青森の言葉といっても、太宰が使っていたのは津軽弁で、松山の故郷は下北弁だったそうで「細かいんですけど青森にもいろいろあるんです」とした上で、「ちょっと自分の感じも入れたいなと思っちゃったので、(津軽弁に下北弁が)かなりミックスされています。“青森の言葉”というふうに言ってください」と強調した。
それを受けて、三谷は「最初、台本では全然方言ではなかったんですけど、松山さんが方言を入れたいと。青森弁でしゃべる太宰治って今までたぶんいなかったと思うので、画期的なことだと思います」と松山を称えると、松山は「ありがとうございます!」と恐縮していた。
松山、チャレンジしたいのは「エマさんの役」
そんな中、もし今作で別の役をやるとしたらどの役に挑戦したいか、という質問が。主演の田中は「大変そうだから、みんな嫌ですね(笑)」と、ワンシーン・ワンカットだけにどの役も大変だったことを知っているからこそ今は考えられない様子で、小池は「チャレンジするならエマの役(健作の妻・美代子)。夫婦の関係の変化が私にはできないなというぐらい素晴らしかったので」と、宮澤の演技を称賛した上で指名した。
そして松山は「僕もエマさんの役がいいです。(健作と美代子)2人で歩いてくるところ(冒頭)からやってみたいです」と言い、「あの2人の中で、(梶原演じる次郎が)いきなりパンチパーマで出てくるじゃないですか。次郎が入ってくるときのリアクションとかすっごく好きなんですよ。ずっと喋っている中でどう言葉を入れていくのか、とか」と話すと、すかさず梶原が「だから、今度次郎をやってそれを見てみればいいんじゃない?」と提案。
しかし、健作と出会う漁師・打雷次郎役、その双子の兄・四郎役、父親の四郎次郎と“1人3役”を務め、早着替えや映り込み問題など梶原の大変さを散々聞いた後だっただけに、松山は「次郎はやりたくないです!善さんしかできないですよ!(笑)」と即答し、梶原は「何でそんなに四郎次郎を嫌うんだよ~。(梶原しかできないという声に)そんなことないと思うよ」と、ちょっぴりすねていた。
「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」は全国公開中。
◆取材・文・撮影=松崎太陽
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