松本潤、“沈黙でみせる表現”で新境地に 「19番目のカルテ」が生む“新しい会話劇”

現在放送中の医療ドラマ、日曜劇場「19番目のカルテ」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系/TVerにて配信)は、「総合診療医」という新しい切り口と、主演・松本潤の魅力で多くの注目を集めている。その魅力は一体どこにあるのだろうか。
徹底的に「人を信じ、人を診る」医師
「あなたの話を、聞かせてください」。患者を優しく見つめ、ゆっくりとそう話す医師・徳重晃を演じているのは、松本潤。患者の訴えを受け止め、その人の暮らしや心の状態までも含めて診る“総合診療科”を真正面から描くドラマ「19番目のカルテ」は、現在第3話まで放送中。徳重のブレない丁寧な対応と、その彼に疑問を呈する周囲の医師たち。通常の医師とは違う視点で患者を診る徳重に心を通わせた者は、必ずや彼の鋭い観察眼に驚き、惹かれていく。
患者たちの悲痛な叫び
徳重の鋭い観察眼で患者が救われた瞬間。そこでは患者たちの本音が垣間見える。たとえば第1話では、OL・黒岩百々(仲里依紗)が長年苦しんだ痛みの理由が明かされる。全身の痛みに苦しむ彼女はさまざまな検査を受け、その都度「検査異常なし、大丈夫」と診断されていた。
彼女の日常生活の行動や仕事の様子を丁寧にヒアリングする徳重は、「あらゆる検査異常なし」から推測される病名「繊維筋痛症」を導き出す。会社でも「本当に痛いのか」と訝しがられ、心身ともに壊れきってしまった百々は晴れやかな表情で語る。その姿は涙なしでは観られなかった。「私、病名がついてうれしいんです」。
第2話では、弟の看病を長年続けていた17歳の兄・拓(杉田雷麟)が、弟の死をきっかけに心因性の機能障がいを起こす。徳重が拓に「君の話を聞かせて」と語りかけると、拓の口からは苦しみに満ちた過去がとめどなく溢れ出る。
「母さんは俺に全部押し付けていなくなった。僕は怪獣だ。咲が死んだとき、正直ほっとした。お兄ちゃん失格だ」。悲痛の叫びを徳重に語る拓。このときの徳重の「君はお兄ちゃんじゃない。岡崎拓だ」という言葉に拓は心を解き放たれるのだった。
第3話では、人気アナウンサー・堀田(津田健次郎)が下咽頭がんの手術を拒否し、徳重にセカンドオピニオンを求める展開がSNSでも話題に。
「声を失えば私は死んだのと同じです!」そう感情を荒げる堀田を納得させるために、徳重は堀田の担当医・東郷(新田真剣佑)と対峙。ぶつかり合う二人だが、どちらも「患者を救いたい」という思いは一緒。人を救うことの尊さに徹底的に寄り添った本作の深みを感じられた。

























