
福原遥主演ドラマ「明日はもっと、いい日になる」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)は、児童相談所への出向が命じられた神奈川県警の刑事・夏井翼(福原)が、支援の現場で刑事としての正義感と共に葛藤しながら子どもたちと向き合う物語。8月18日に放送された第7話では、翼とバディを組む児童相談所のベテラン児童福祉司・蔵田総介(林遣都)の過去とリンクする境遇の母親が犯罪に巻き込まれそうになり、新たな展開を見せた。海辺の児童相談所を舞台に、児童虐待、家庭崩壊など多様な問題に直面する物語を企画したのは、フジテレビの宮崎暖プロデューサー。どんな思いで「明日はもっと、いい日になる」をドラマ化にしたのか、その思いと終盤に向けての見どころを聞いた。
制作のきっかけは2つの思い
――そもそもこのドラマを作ろうと思われたきっかけは、何だったのでしょうか?
夏休みに家族で見て、少しでも隣にいる家族にやさしくなれるようなドラマを作りたいと思ったことと、ニュースで見る児相だけが本当に児相の姿なのだろうかと、ずっと疑問に思っていたんです。虐待の事件などは氷山の一角で表面化していない部分があるはずで、そこをちゃんと取り上げるドラマを作りたいなと思ったのが、この企画を立ち上げるきっかけになりました。
――今作はオリジナルドラマですが、ストーリーはどのように制作しているのですか?
最初に文献を読んでから実際の児童相談所に伺い、お話を聞かせてもらいました。全部で4カ所ぐらいの児童相談所に取材させていただき、個人情報を伏せた形で実際にあったお話を聞かせてもらいました。できるだけ、多くの方にお話を聞かせていただいて、それを踏まえて、視聴者の方が紙一重に感じるように物語を作っていきました。
――“紙一重”を意識したのは、多くの方に“自分ごと”として捉えてもらいたかったからでしょうか?
そうです。ですから、序盤の一話完結で描いている事案は、結果的に身体的な虐待であったというエピソードはやっていなくて、そこに至る手前の家族の心のすれ違いやボタンの掛け違いのようなエピソードを扱うようにしました。児童相談所が虐待された子供の保護だけでなく、困っている人を助ける機関であることを伝えたかったので。
――確かに第1話を見た時に、“一人親支援”もしていることがとても印象に残りました。現在も児童相談所の方とやりとりされているそうですが、作品を通して、幅広い相談が届くようになったという声も届いているのでは?
はい。実際に相談してきた方の中にドラマを見た、という方がいらっしゃったそうです。また、ある児童相談所の職員の方からいただいたメッセージの中には、「猪突猛進だけど子どもにも親にもちゃんと向き合って救っていく主人公の翼さんのように、あそこまでやって初めて助けるということなんだよなと感じた」という声もあって、それを読んだ時は一つ良い影響を与えられたのかなとうれしかったです。

主人公は「最後まで変わらない」キャラクターに
――オリジナルで物語を制作する際に、意識したことはどんなことでしょうか。
とにかくいろんな人の話を聞こうということです。お話を聞かせてくださるという方がいると取材させていただき、ドラマ制作中の現在も取材を続けています。どうしてかというと本当にいろんな考え方があって、児童相談所によって対応の仕方が違うから。もちろん法律があって、最低限のルールがありますが、児童相談所によって異なることも多くて。子ども一人一人も違うし、親御さんも一人一人違う。だから、ご家庭によっても対応の仕方が異なるので、一つでも多くのお話を伺って脚本作りの参考にさせていただいています。
――では、福原遥さん演じる主人公の夏井翼を作る時に意識されたことはありますか?
児童相談所に対する批判やルールといったものを打ち破っていく人であってほしいという思いを込めて、キャラクターを作りました。そして、最後まで変わらないということ。警察から出向してきて、児童相談所の職員としては成長しますが、「目の前の人を救いたい」という性格は最後まで変わりません。警察時代の失敗を背負ってはいますが、幼少期のトラウマ的なものは持たない人物にしました。その分、林遣都さん演じる蔵田に影を作り、凸凹バディになるようにしました。
































