
松本潤が主演を務める日曜劇場「19番目のカルテ」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第7話が、8月31日(日)に放送される。今回、本作の世界観の根幹を担う美術デザイナー・安藤帆南氏にインタビューを実施。診察室や休憩室、そして患者たちの暮らしを映し出す各話の空間まで、登場人物の生きざまをも描き出すような空間づくりがどのようにして生み出されたのか話を聞いた。
“人を診る”総合診療医の奮闘を描く医療ドラマ
本作は、漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」(ゼノンコミックス/コアミックス)を原作とし、脚本を「コウノドリ」シリーズ(TBS系)の坪田文が手掛ける医療ドラマ。
物語の主軸となるのは、臓器や患者の性別、年齢にかかわらず、患者の訴えを一つ一つ丁寧にすくい取り、その人の暮らしや家庭環境、心の状態までも含めてその名の通り“総合的に”診察を行う19番目の新領域「総合診療科」。
病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出し、生き方そのものに手を差し伸べる魚虎総合病院の総合診療医・徳重晃(松本潤)と医師たちの活躍を描く、新しいヒューマン医療エンターテインメントだ。
主演を務める松本の他、正義感の強い整形外科の新米医師・滝野みずき役に小芝風花、魚虎総合病院の外科部長の息子で自身も外科医の東郷康二郎役に新田真剣佑、小児科の科長であるベテラン医師・有松しおり役に木村佳乃、徳重の恩師・赤池登役に田中泯など、豪華キャストが集結。彼らが徳重とどのように関わっていくのかも見どころとなっている。
総合診療医のリアルな現場を見て作り上げた「診察室」のセット
本作のメインセットは、主人公の総合診療医・徳重晃(松本)の診察室と、医師たちが集う休憩室の2つ。診察室については、演出を担当する青山貴洋氏からの「総合診療科が旧館の隅っこにあるような雰囲気にしてほしい」というリクエストをもとに設計していった。
総合診療科の監修を担当した医師・生坂政臣氏の存在も、診察室づくりの参考になったという。生坂氏が実際に使用していた診察室の写真を見せてもらい、相談しながら「リアルな現場の雰囲気を探しながらセットを組み立てていった」と安藤氏は話す。
当初、生坂氏のエピソードをもとに病室をベースにする案も出ていたが、ただの四角い部屋では単調になると感じたという。そこで安藤氏は「もともと食堂や休憩スペースとして使われていたような場所を診察室として転用することにした」という体(てい)の設定で、空間に広がりを持たせた。

あえて限定させた“光”と生活感を与える“汚し”
診察室の設計において、特に重要視されたのが「光」の扱いだ。演出の「このドラマの象徴でもある“光”を印象的に撮りたい」という意向を受け、部屋の構造自体を斜めに設計し、大きな窓を配置した。自然光がルーズに差し込むよう計算されており、「サイズ感が不安だったけれど、思い切って造ってよかった」と安藤氏は振り返る。
一般的なセットでは多方向から光を当てて全体を明るく見せるが、本作ではあえて光源を限定。大きな窓は一面のみに、高窓は別の壁面に配して「一方向から差し込む光が印象的に見えるよう工夫した」という。第1話で徳重と新米医師の滝野みずき(小芝風花)が夕景を見つめるシーンでも、この設計が効果的に生かされた。
さらに、空間に生活感を与えるために施された“汚し”も注目すべきポイントだ。「やり過ぎるとただ汚く見えるし、やらなさ過ぎるとリアリティがなくなる」と安藤氏。油汚れや経年劣化を意識した“意味のある汚し”を施し、絶妙な“古さ”を表現していったという。演出からの印象的なリクエストについて「窓の光とリアルな汚しのバランスが難しかった」とも語っている。
原作漫画の世界観についても、「参考にはしましたが、ドラマとしての表現を優先しました」としつつ、原作者・富士屋カツヒト氏が「背景の情報量がすごい」と評価したことには「それが伝わったのはとてもうれしい」と笑顔を見せた。「本がいっぱい並んでいたり、ごちゃごちゃした感じは、総合診療科という設定から意識していた部分でした」と、細部に至るまでの工夫を明かしている。

毎週日曜夜9:00-9:54
TBS系にて放送中
https://www.tbs.co.jp/19karte_tbs/
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