松村沙友理、白洲迅のW主演によるLeminoオリジナルドラマ「今日もふたり、スキップで」の第1話から第3話までが10月4日に一挙配信。第2話では、面倒くさがりな妻(松村)のもとに「丁寧な暮らし」をテーマにしたエッセーの依頼が舞い込む。それをきっかけに、妻が突然“丁寧な暮らし”に目覚める姿が描かれた。(以下、第2話までのネタバレを含みます)
妻が丁寧な暮らしを開始
同ドラマは、ものすごい愛の超共感型エッセー「今日もふたり、スキップで ～結婚って“なんかいい”」を原案に、平凡な毎日に潜む“なんかいい”瞬間を丁寧にすくい取った“共感型ストーリー”。夫婦が一緒にストレッチしたり、お気に入りのトレーナーを取り合ったり、2人で夜道を散歩したりと、平凡だけど幸せな夫婦生活をユーモアたっぷりに描き、見る者に「結婚ってなんかいい」「こういうことあるある」と思わせてくれる、ほのぼのとした心温まる内容となっている。
第2話の「ていねいな暮らしっつーやつは」では、元来ものぐさな妻は、外から帰宅してそのままソファに座り、座ったまま脱いだ靴下を洗濯かごに向けて投げ、入らなくてもそのまま放置。食べ終わった食器も朝からシンクの中に置いたまま、冷蔵庫の扉を開けたままレモンサワーを缶のまま飲み、夕食の支度もせずに夫が帰るまでうたた寝してしまうという暮らしをしている。
そんな中、「丁寧な暮らし」をテーマにしたエッセーの依頼が舞い込んだことをきっかけに、突然“丁寧な暮らし”に目覚める。妻は朝から部屋の掃除をし、しまってあったティーセットで紅茶をたしなみ、窓際には花を飾って、夕食には食卓にカラフルで凝った料理を並べる。その変わりように、夫(白洲)は仰天。
食卓を見た夫は「どうしたの？ いつもより色が多いよ」と目を見開き、飾り切りされたキウイを見つけて「いつもキウイをわざわざくり抜いたりしないじゃん！ 何かあったでしょ？」と尋ねる。すまし顔で「丁寧な暮らしっていうのをやってみようと思って」と語る妻に、夫は「本当にできるの？」と心配顔。
最初こそ、花瓶の水を変え、フルーツポンチを作り、布団を干し、絵画展に興味を持つなど、丁寧な暮らしを続けていた妻だったが、ある日、行きつけのバーで常連客が誕生日であることを知って、祝い酒でついつい飲み過ぎてしまう。丁寧な暮らしから一転、深夜に帰宅し、トイレで便器を抱えながら夫に背中を擦られる始末…。
深酒しないと誓うも…朝帰り
その後、次第に余裕がなくなってくると、紅茶ではなく冷蔵庫に常備されている麦茶を飲むようになり、夕食のおかずは茹でたウインナーのみ、絵画展を訪れても絵に感銘を受けるほどの感受性がないことに気付き、いつしか窓辺の花は枯れてしまう。丁寧な暮らしはあっけなく終焉を迎えた。
そんなある日、友人の結婚式に出席することになった妻は、夫に「今日はそんなに飲まないようにする！」と宣言して出掛けていく。だが、パーティー会場で友人たちから勧められると、つい決心が揺らいでしまい、深酒。結局飲み屋をはしごして午前様に。
朝方、髪は乱れてメークは崩れ、しわができたパーティードレス姿で、出勤のために歩く人波を逆行して家に向かって歩く妻。酒が抜けておらず、ぼんやりとした思考で、「近道をしよう」とフェンスによじ登ろうと苦戦していると、いつもより早めに家を出た夫とたまたま遭遇する。
夫は朝帰りでボロボロの妻を見ても嫌な顔一つせず、「運命だね。こんなところで偶然会えるなんて！」とニッコリ。「まだ時間があるから一緒に帰ろう」とまで言ってくれる。ダメダメな自分でも唯一愛してくれている夫の存在に、深い愛情を感じた妻の幸せな日々は続いていく――。
第1話では夫のこだわりの強い部分が描かれていたが、第2話では妻の人間らしい部分が凝縮された内容となっており、その中で松村扮(ふん)する妻の“人間らしさ”が秀逸だ。ふと思い立ったら夫が困惑するのもよそに即座に実践するが、持続力はなく、ちょっとしたことでつまずき、すぐにダメダメな部分が表出してしまう。
また、自分に甘く、自ら決めたことも守れないという、ぐうたらな者としては「あるある～！」と首肯してしまうダメっぷりを存分に見せているのだが、松村の演技は「当て書き!?」と思うほどにハマっており、バラエティー番組などで見る彼女のキャラクターともマッチして、思わずクスッとさせられてしまう。しかも、ダメダメなのについ笑って許してしまう彼女特有の愛らしさがあるため、見ていても不快感にはつながらない。まさに松村ならではの“妻”が作り上げられている。
そんなダメダメな妻を丸ごと愛している白洲演じる夫の愛情にほっこりさせられながら、松村だからこそ作り上げることのできた妻というキャラクターのダメっぷりに今後も注目していきたい。
Leminoオリジナルドラマ「今日もふたり、スキップで」は、毎週土曜0時に新エピソードをLeminoで配信中。
◆文＝原田健
