NEWSが横浜で15,000人を魅了 “変身”の先に見せた揺るぎないアイドルの姿<LIVE TOUR 2025 変身>

NEWSが15枚目のアルバム『変身』を引っ提げて巡るライブツアー「NEWS LIVE TOUR 2025 変身」を開催中。10月9日は横浜アリーナ公演の最終日。3人は、約15,000人の心を確かな熱狂で包み込んだ。
序盤から畳み掛ける“変身”の演出
オープニング映像は使わない、シンプルで静謐な幕開け。「変われ」「騒げ」「鳴らせ」と3人の歌声だけが力強く響く「変身」に、何かが始まる予感だけが静かに熱を帯びていく。やがて“変身”という一言とともにライトがメインステージを照らすと、バルーンで形作られた巨大な“城”の中に3人が降臨。さらにはドレッシーなフリルシャツの上にジャケットを羽織り、1曲の中で衣装までもが華麗に変化。序盤から畳み掛けるように繰り出される“変身”の演出に、胸が高鳴った。
日本語と英語をミックスした特別バージョンの「チャンカパーナ」など、熱気は途切れない。長いキャリアを重ねても、なおこんなにも“カワイイ”に変身できる柔らかさが3人の魅力の一つでもある。その表情の切り替え一つ一つに、余裕と遊び心が垣間見えた。
約4年ぶりとなるジュニアとの共演も、本ツアーの見どころの一つ。ジュニアたちだけで「希望~Yell~」を歌うコーナーでは、NEWSが積み重ねてきた歴史と、次世代へと受け継がれる思いが交錯する。懐かしい映像を背景に、若いエネルギーがステージを彩ると、ピンクのスーツを纏った3人が登場。後輩たちへのまなざしには愛情がありつつも、堂々とした風格でステージの主役であることを証明する。その姿には、ベテランとしての誇りと、まだ終わらない挑戦の炎が静かに宿っていた。
また花魁を思わせるきらびやかな衣装でも魅了。キセル、和傘、手鏡を手に歌う3人の姿は妖艶でありながら、どこか凛とした気高さもまとっていて、上品。この1曲だけのために用意された豪華絢爛な衣装であることに驚かされつつ、その潔さにもまた痺れる。増田貴久が手掛ける衣装は、今回、デザインの新鮮さだけでなく、どのタイミングで、どの衣装を、どんなふうに纏うか――そんな、曲ごとの意味を丁寧に紡ぎ出す“演出としての衣装”の完成度が、いつも以上に際立っていたように感じられた。
最後の挨拶で、親交のある倖田來未から「何回も着替えたほうがいい」とアドバイスを受けたというエピソードを明かし、「できるわけなくない?」と笑っていた増田。その言葉の裏にある創意と情熱に、改めて拍手を送りたい。
“変身”を経た先に歌われるNEWSからのメッセージ
終盤、子どものように屈託のない笑顔を見せる増田、肩を組んで歌う小山慶一郎&加藤シゲアキ。この時間が終わってほしくないと心から願ってしまう幸福感が会場に充満した。そして、さまざまな“変身”を経た先に歌われる「君のままで」。能動的に変わっていくことのできる幸せ、変わらざるを得ないものがあること、変わらないことの尊さ……どんな選択も肯定する、3人の優しく力強いメッセージだった。
演出の妙、そして“これが聴きたかった!”というツボを的確に突く選曲。どの要素にもNEWSらしい遊び心と緻密さが息づき、魅力を挙げたらキリがない。山寺宏一のナレーションによるInterludeを各ブロックに挟む構成は、彼らのライブに通底する“物語性”を象徴しており、これぞNEWSという世界観を感じさせる部分でもある。
一方で、今回は“いつものNEWS”をあえて崩してみせた挑戦でもあった。ジュニアとの共演、新鮮で意表を突く衣装や演出の数々。その“いつもの”を崩した先に、むしろ“アイドル”という本質がよりくっきりと浮かび上がっていたのが印象的だった。長年積み重ねてきた“NEWSのライブ=クセが強め”という公式を、彼ら自身の手で少しだけ塗り替え、新たな色を足すかのよう。その鮮烈な姿に、まだ見ぬ未来を思わせる余白があった。
いつでもファンを驚かせたいと願い、愛をもって挑み続ける3人だからこそ見せてくれた“変身”の景色。また、NEWSに心つかまれてしまった。感動が熱を宿したままいつまでも胸の奥に広がり続ける、そんな夜だった。
撮影=阿部岳人/取材・文=岸野愛
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