
馬と触れ合う耕造に驚く加奈子たち
会った早々、大規模牧場で探したほうがいいのではと言う剛史に耕造の表情が曇る。加奈子の友人でもある広中がとりなそうとするが、「ごちゃごちゃ言ってないで、馬見せろや」とつぶやく耕造。すると、剛史は「本当に勝つ気はあるんですか?」と問い掛ける。
さらに「これは商売じゃない。勝負なんです」と剛史。そのまま物別れに終わってしまった。
しかし、その後、廃業を決めた林田(尾美としのり)に預けていた繫殖牝馬を加奈子の牧場に託してはどうかと考えた栗須。馬を強くするには時間が必要。そのことが自分たちが強い馬に巡り合うチャンスにもなる。栗須の考えを「屁理屈だな」と言ったものの、後継ぎとしてがんばる加奈子を助けるべく受け入れた耕造は、再び加奈子の牧場へ向かう。
加奈子と剛史を待つ間、放牧地で馬と触れ合う耕造。その姿に栗須の表情がやわらいだが、現れた加奈子たちは驚いた。耕造が触れ合っていた馬は臆病な性格だったからだ。
その馬の良さを感じた耕造は「意地はんないで、自信持って売りゃあいいんだよ」と告げる。そして剛史の抱えているものを聞き出した。

剛史の夢にかける耕造がかっこいい!
加奈子たちの牧場は、北海道の日高地方にある。日高は過去に多くのサラブレッドを生んだ地でもある。しかし、そんな地であっても、個人経営の牧場は高齢化や後継者不足に悩み、生産から育成まで一括して管理する大規模牧場の一人勝ち状態だった。「でも俺は勝ちたい!勝ちたいんです」という思いで、大規模牧場がやらないアメリカでの種付けをした。
「私の目標は、誰が何と言おうと、この牧場の馬でG1をとることです」。
1億というのは剛史の覚悟の金額だった。加奈子はそんな剛史が、日高で一緒に切磋琢磨してきた同年代の牧場関係者の思いも背負っていることを明かした。
G1勝利は耕造の夢と一緒。「俺にもう一つ夢ができた。その夢を日高の馬で成し遂げるんだ。北稜(※大規模牧場)の馬で勝ったところで、誰も驚いちゃくれない。高い金払ってんだ、当たり前だって目で見られるだけだよ。それは俺が目指すところじゃない。人が驚いてくれなきゃ面白くない。競馬なんか興味ねぇ。お前なんか知らねえってそんなやつらが、『なんだ、この馬は!』そういう馬引っさげてレースに出て勝つんだ」と、耕造は熱い思いを剛史に向けた。
耕造はワンマンな経営者で、強引さは競馬に携わるものたちの間でも不評であることが前回描かれた。しかし、「主役は馬」と言いつつ、その後ろにいる人を大切にすることは第1話から描かれてきたこと。今回も、加奈子たちの牧場を初めて訪れたときから、馬たちのために手入れが行き届いていることを見抜いてもいた。栗須がそばにいると決めた耕造の人となりに引き付けられた。「勝つ気はありますか」という剛史に「死に物狂いで」とサラリとだが血の通った答えをするのもかっこよかった。
視聴者からも「耕造かっこよ過ぎる」「山王耕造のロマン熱い」「耕造は気性荒く言葉もキツいが温かな人柄にも惹きつけられる」「山王耕造という人の真髄が見えた素敵な回でした」といった声が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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