
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2025年7月27日にX(旧Twitter)に投稿された『山に棲む』をピックアップ。
本作は作者の送達ねこさんがpixivやSNSで発表を続けている連作『郵便屋が集めた奇談』のエピソードの一つで、全国の郵便局員が勤務中に体験した不思議な話や怖い話が元になっている作品だ。作者の送達ねこさんが本作をX(旧Twitter)に投稿されたところ、2.000件を超える「いいね」と共に多くの反響コメントが寄せられた。本記事では送達ねこさんにインタビューを行い、本作について語ってもらった。
山に現れる“ヒト”を見た者は…

ある地方の田舎で郵便局員として働き始めたばかりの青年。いたって普通の青年だが、先輩の江藤には距離を取られ、配達では怒られてばかり…。しかしある日をきっかけに江藤さんと青年の距離は縮まり、青年は江藤さんから村に伝わるさまざまな怪談話や不思議な話を教えてもらうような仲になる。
実はこの青年も配達中に山で不思議なものを目にしている。これは今はもう誰もいなくなった山村の集落で青年が実際に体験した不思議な実話。山には人ならざる者が棲むという。読者からは「久々に心震える作品」「不思議な話」「山では何かと不思議な出来事が起こる」「幾重にも深い話」など多くの反響が寄せられている。
作者・送達ねこさん「郵便屋は変わった体験をすることがある…」

――『郵便屋が集めた奇談』シリーズを創作したきっかけや理由があればお教えください。
「不思議な体験」を書きとめている同僚の郵便局員からメモを見せてもらったことがきっかけです。
とても興味深く、“郵便屋”の目を通した怪異を現代のフォークロアのように構成できるのではないかと思いました。ちょうどペイントソフトを買ったので、漫画で描いてみることにしました。
――ミステリー作品の軸を“郵便屋”にした理由があればお教えください。
郵便屋は事故物件やいわくのある土地など普通なら忌避する場所へも配達があれば踏み込むため、変わった体験をすることがあります。
運転もそうですが、基本的に危険を伴う仕事なので「死」に関連した感情の揺さぶられる場面に遭う者が少なくありません。地域をまわりながら人々の生活に関わる彼らの仕事に、たくさんのドラマがあると感じました。
――ミステリーを軸とする本作ですが、人物描写が丁寧でそこに暮らす人たちの息遣いが聞こえてきそうです。本作を描くうえでこだわったことがあればお教えください。
人物の造形をなるべくリアルに寄せようと試みました。
本作では愛をうまく伝えられない男が登場するのですが、山の配達で後輩を怒鳴りながらも、手料理を届けたり怪談話をサービスしたり、彼の優しい日常の積み重ねを心がけました。
日常がしっかり描ければ、非日常な「怪異」が際立つと思いました。
――本作には多くの反響が寄せられていますが、どのようにお感じになっていらっしゃいますか?
たくさんの方に読んでいただいてとてもうれしく思います。ご感想のすべてがありがたく、新しい気づきをいただいて、大変参考になっています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
まだ描いていないお話がたくさんあります。
ミステリーや不思議な話をこれからも描いていきますので、楽しんでいただけましたら幸いです。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。




























