ライフプランを立てにくい先行き不透明な時代に突入したいま、将来への不安は尽きませんよね。この連載では、超難関資格のFP1級を取得し金融関係のお仕事でも大活躍中の芸人・サバンナ八木さんが、お金にまつわるライトな相談から家族、仕事、住宅、老後などの問題について、ちょっと笑えてフッと心が軽くなるアドバイスをしてくれます。
第2回の相談テーマは「住居の悩み」について。人生において大きな決断を求められる”家の購入・買い替え”ですが、最優先すべき条件とは何なのでしょうか？ また、知らないと損をするお得な制度についても教えてもらいましょう。
＜相談者プロフィール＞
・あかりさん（46歳女性・フリーランス）
・家族構成：夫（46歳）、中学3年生の娘がひとり
・横浜在住
・分譲マンション住み
・夫は自営業
かけがえのない“子どものプラチナ期間”を優先すべし！
――現在、家族3人で横浜市内のわりと便利な場所に住んでいます。環境もよく生活しやすいので不満はないんですが、主人も私も自宅で仕事することが多く、お互いの仕事部屋が欲しいねっていう話が出ているんです。
八木さん：
旦那さんは自営業、あかりさんはフリーランス。働く場所にとらわれずに住む場所を変えることが可能な状況、ということですね。
――そうなんです。制約がないぶん、選択肢が多いのでなかなか決まらないというか……。たとえば、今住んでいるマンションをフルリノベーションして、小さな仕事部屋をふたつ作ってもいいし、郊外の一軒家に引っ越してがらっと環境を変えてもいいし、と夫婦で話しています。
八木さん：
ちなみに娘さんって中3ですよね？ 進学する高校は決まってるんですか？
――まだ決まっていませんが、おそらく横浜市内かな、と。
八木さん：
僕はね、まず、すべての優先事項を子どもに置くべきだと思うんですよね。あかりさんのご家庭の場合、夫婦どちらも仕事はどこでもできる。だから、一番大事にせなあかんのは娘さんの環境でしょう。娘さんが学校に通いやすいところに住むことを第一条件にしませんか？
――娘はあまり住む場所にこだわりがないと思っていたので、親の意向ばかり重視していました……。反省します。
八木さん：
そこはやっぱり、お子さんを中心に考えるべきです。なんでかって言うと、僕自身の経験からしても、高校時代の友だちって一生の友だちになってるんですよね。つまりこの3年間っていうのは、いわばプラチナのような大事な時期。そこを何よりも大事にしてほしい。
――そうですよね。たしかに高校時代の3年間は貴重です。私たち夫婦はどこでも仕事ができるからこそ、まずは娘の環境を重視した家選びをしたいと思います。ありがとうございました。
住宅購入は便利な制度を活用するのが断然おトク！
八木さん：
ただ、家の買い替えを検討しているのであれば、便利な制度を活用するとええと思いますよ。ちなみに、今のマンションっていつ購入されたんですか？
――14年前ですね。
八木さん：
とすると、居住期間が10年以上なので「買い替え特例」という制度が使えるかもしれませんね。簡単に説明すると、10年以上住んでいるマイホームを買い替える場合、売却した年の前年1月から翌年12月までに新しい家に買い替えたら適用できる制度があるんです。
適用条件はほかにも、「売却する不動産の売却代金が1億円以下であること」や「買い換えた不動産の床面積が50㎡以上、土地面積が500㎡以下であること」などいくつかありますが、条件をクリアすれば譲渡所得税の支払いを繰り延べられるという制度です。
――そんな制度があるんですね！ 買い替えのタイミング次第でお得になるなんて、考えたこともなかったです。
八木さん：
ただし、この「買い替え特例」は、「3000万円特別控除」や「住宅ローン減税」とは併用できないので注意が必要です。
――そうなんですか？ 複雑ですね……。
八木さん：
ですよね。だから、「買い替え特例」「3000万円控除」「住宅ローン減税」のどれを適用すれば一番お得になるか、税理士の先生に相談してみたらいいと思いますよ。
――なるほど。やっぱり専門家に詳しく聞かないとわからないことだらけですね。大きなお金が動くのに、無知なのは怖いと思いました。
八木さん：
自分で知識を身につけるのももちろん大切ですけど、制度が複雑なのも事実なので、信頼できる税理士の先生に聞くのが一番です。家の購入や買い替えは、制度をうまく活用すれば、負担をぐんと軽減できます。旦那さんともよく相談して、良い選択ができればいいですね。
――はい、ありがとうございます。まずは娘に、理想の暮らしについて聞いてみようと思います！
撮影＝水上俊介
取材・文＝野口燈
【プロフィール】
サバンナ 八木真澄（やぎ・ますみ）
1974年生まれ。京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。94年に学生時代の後輩・高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。「ブラジルの人聞こえますか～！」など1000個以上のギャグを持ち、柔道２段・極真カラテ初段の筋肉芸人としても活躍中。著書に『年収300万円で心の大富豪』『FP1級取得！サバンナ八木流 お金のガチを教えます』（KADOKAWA）などがある。2024年に１級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得した。
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著者：サバンナ八木真澄
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定価：1,760円（本体1,600円＋税）
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