
細田守最新作で、王女・スカーレットの復讐の物語「果てしなきスカーレット」が11月21日(金)に公開される。描かれるのは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は<虚無>となり、その存在が消えてしまうという<死者の国>だ。復讐心で生きてきたヒロインは<死者の国>でも闘いを続ける。今作でスカーレットの命を狙う刺客・ギルデンスターン役を演じた染谷将太。細田監督作品は4作目で最多出演となる染谷に「果てしなきスカーレット」の魅力を語ってもらった。
細田監督作品への出演がは4回目「毎度唇をかみしめながら必死にやっています」
――染谷さんが細田守監督作品に出演されるのは、役所広司さんと並んで最多の4回になりますが、「果てしなきスカーレット」のオファーがあった時のご心境からお願いします。
今回で4回目の細田監督作品への出演ということで、すごく光栄です。監督の作品は、青春や家族の絆など、その時代によってテーマは変わっていくのですが、表現としてブレないものがあって、ずっと残り続けていく作品。自分も細田監督作品の一ファンとして携われることが本当に自慢です。僕が細田作品で演じてきたキャラクターは、ありがたいことに毎回違う方向性のキャラクターなので、毎度唇をかみしめながら必死にやっています(笑)。
――今回はヒロインの王女・スカーレットが<死者の国>で目覚めたところから始まり、「生きるとは何か?」という本質的な問いを突き付けられる作品ですが、どんなところが魅力の作品ですか?
細田監督がこの作品の構想を練ったのは、コロナ禍が終わりかけたタイミングで、世界で戦争が起こった時期だと伺いました。どうしたら争いが解決するのか、そういう世の中の想いと向き合って作品を作ったそうで、表現方法として逃げない道を選んで、真正面から向き合わられた作品だと感じましたね。今描く必然性みたいなものを企画意図から感じられましたし、実際に完成した作品を拝見した時に、とても感動したと同時に自分もこの作品の中の当事者というか、関係ない人ではないんだなと思って。
スカーレットのことを他人事には見られなかったですし、外から見てスカーレットを応援したくなる映画というよりは、スカーレットと一緒に戦う気持ちになりました。世界中のどんな方が観ても、自分の人生にも関わりがあると思っていただける作品になっていると思います。
――スカーレットは、父の仇を討つために復讐心に燃えるヒロインという点が今までにないヒロインですよね。
父親を殺したクローディアスに対して、しっかり恨んで、憎しみを持って、復讐に走るわけですけれども、スカーレットの感情には全然嘘がないところに引きこまれましたね。だからこそ、最後に向けて、スカーレットが変わっていく様にすごく説得力がありました。なかなか難しいけれども、誰しもがスカーレットの境地に行きつけるチャンスがあるんじゃないかと感じられたので、すごく希望のある映画だと思います。
――父の復讐に失敗したスカーレットが目を覚ました<死者の国>の世界は、人々が暴力に明け暮れる狂気の世界。まさに地獄絵図で…震えました!
そうなんですよね。スカーレットが生きた中世の時代は、アニメーションタッチで描かれますが、地獄の世界に行ってからは、CGが多用されるんですけど、リアルで生々しいものがありますよね。
初めての演出に挑戦「画のタッチに寄せて、声を変えてお芝居をしました」
――染谷さんが演じたギルデンスターンは、クローディアスの家来で<死者の国>で、スカーレットの命を狙う役どころです。悪役ですが、どんなキャラクターと捉えて声をあてましたか。
細田さんからは、「キャラクターとして、誇張して大きく作ってほしい」というお話があって。今までは、日常に生きている延長線上のニュアンスのお芝居の演出が多かったので、世界観に合わせた質感にするのは、初めての演出でした。普段の自分の発している声ではなく、画のタッチに寄せて、声を変えてお芝居をしましたね。
ギルデンスターンと共にスカーレットの命を狙うローゼンクランツ役の青木崇高さんと掛け合いでやったのですが、ちょっとコミカルな感じを意識しました。難しかったですが、演じていて新鮮な面白さもありました。
――復讐の感情で生きるスカーレットのように「絶対、許せない」という感情が芽生えた時は、どのように手放していますか?
そもそも怒りの感情って、あまりなくて…。何かあっても、怒るっていう方向性に行かないかもしれないです。困惑するようなことがあった時、怒っても解決しないので、「こんなこともあるか。じゃあ、どうしたらいいんだろう」と対策を考えます。
――怒りを感じることがなく、穏やかにいられるのって素晴らしいです! どうしたら、染谷さんみたいになれますか?
極論ですけど、世の中いろんな人がいるじゃないですか。人それぞれ、価値観が違いますし。自分の想像を超えてくる人がいたら、「そっか。そういう考え方もあるんだな」って観察します(笑)。それで、なぜこの人はこういう行動をとるんだろうって想像しますね。怒っている人がいたら、「不安な気持ちから怒っているのかな?」って、相手の気持ちを想像します。そういった人間観察は、もう趣味みたいなものですね(笑)。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。



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