
綾部喜八郎役を務めるミュージカル『忍たま乱太郎』第15弾忍術学園 学園祭への出演を控える大谷誠。芸能界に興味を持ったきっかけから「デビュー当初から、絶対に辞めないことを目標にやってきた」と語る俳優という仕事への原動力、俳優業を通して見えてきた自身の性格やターニングポイントとなった出来事など、たっぷりと語ってもらった。
俳優を目指したのは「全く格好良くない理由」
――まずは芸能界に入ったきっかけについて教えてください。
大学3年生の頃に自分の将来を考えないといけないタイミングがきて、このまま就職活動をするのはなんか嫌だなと思ってしまったんです。当時、ラーメンズさんにハマっていたこともあり、俳優を目指したら就職活動をしなくてすむかもと思ったことがきっかけですね。全く格好良くない理由ですけど(笑)。
――就職活動を嫌だと思ったのはどうしてでしょう?
高校も大学も推薦入学だったんです。受験勉強をするのが嫌だったので、推薦を目指して、定期テストを頑張って内申点を上げて、受験を回避してきました。受験や就職といった、長い期間をかけて取り組まないといけないものがなんだか苦手で。漠然としたものに向かって走っていく感覚がすごく嫌だったんです。
――そこからどのような経緯で現在の事務所に?
いろいろなオーディション雑誌やWEBサイトを見る中で、今の事務所に応募しようと決めました。オーディションを経て所属させていただいたのですが、絶対にこの事務所がいいと思っていたので他の事務所は受けませんでした。
――お話を伺っていると、ビジョンを定めて行動を起こし、結果をつかみ取っていて、とても器用なタイプなのかなと感じました。
どうですかね。むしろ、僕は集中するまでがすごく長いんです。例えば、台本を読みたいのにテレビやスマホを見てしまって、なかなか台本を覚えらないこともあります。でも、集中モードに入ると気が付いたら何時間もたっているということがあるので、いいのか悪いのか(笑)。
――長い期間をかけて取り組むことが苦手とのことですが、それこそ稽古期間も含めて長期間になる舞台に対してはいかがですか?
舞台の稽古では、一日の中でもやらないといけないことが決まっているんですよ。タスクが決まっていれば、ここまでにこれをやると考えることができるので大丈夫なんです。でも、受験や就職は全て自分でスケジュールを組み立てないといけないから、そういうところが苦手なのかなと。俳優業をやるようになってから、自分の得手不得手の理由についてもなんとなく理解してきましたね。
――では、俳優業のやりがいはどういうところに感じていますか?
デビューした当初から、絶対に辞めないことを目標にやってきました。就職活動が苦手だから俳優になったという経緯があるので、仕事があろうがなかろうが俳優を辞めたら負けだと思っていたんです。2019年にミュージカル『忍たま乱太郎』に出演したことをきっかけに、応援してくださるファンの方も増え、お手紙やSNSでたくさんの声を寄せていただいています。
ファンの方の中には、6年ほど応援してくださっている方もいます。その間に結婚された方や高校生から社会人になっている方など、ライフステージが変わった方もたくさんいて。そういう方々から、僕と出会ったことで頑張れましたというようなお話を聞くたびに、より一層、辞められないなと思うようになりました。一人でも応援してくれる方がいる限り、続けていきたい。今はそれがやりがいですね。

大きなプレッシャーを感じていた“忍ミュ”第15弾
――今お話にも出ましたが、大谷さんは6年ほどミュージカル『忍たま乱太郎』で綾部喜八郎を演じられています。2025年の第15弾初演、再演を経て、2026年1月9日(金)からは第15弾の締めくくりとなる忍術学園 学園祭もスタートします。
第15弾初演では、四年生が僕以外、全員新キャストとなりました。学園祭は第15弾の集大成になると思いますし、第15弾の初演、再演では披露しなかった楽曲もあったりと、第15弾を初めて見る方も、そうではない方にとってもきっと楽しんでいただける作品になると思っています。そして、新キャストとなった4人にとっては初めての学園祭となるので、彼らのことを支えつつ、今の僕たちにできることをしっかりとやっていきたいです。
――四年生の中で自分以外が新キャストという環境で、初演ではプレッシャーを感じることもあったのでは?
今だから言えますが、めちゃくちゃプレッシャーでした。僕が四年生を引っ張っていかないといけないと思っていましたし、まだ経験が少ない子たちも多かったので、そういう子たちをまとめつつも、自分のこともやらないといけない、と悩む時期もありました。でも、六年生や先生キャストの皆さん、ドクタケ忍者隊のキャストの皆さんがすごく助けてくださったので、みんなの力で乗り越えることができたなと思っています。
――カンパニーの力を感じたんですね。
もちろん、お客さまからの声にもたくさん助けていただきました。キャスト変更が発表された後に、四年生のお披露目もかねたファンミーティングもあったのですが、そこでお客さまたちが新しい四年生のことを受け入れてくださったのが伝わってきたんです。それがとても心強かったですね。
――6年という長い期間、同じ役柄を演じ続けるというのも珍しいことですよね。
本当にそうだと思います。そもそも第15弾まで続いている作品もなかなかないと思いますし、僕にとって本当に特別な役であり作品です。“忍ミュ”は、お客さまも含め、キャストやスタッフさんからもとても愛されている作品だなと感じています。僕も綾部喜八郎という役をこれからもずっと演じたいですし、もし僕が出なくなったとしても、ずっと作品をつないでいってほしいなと思っています。
――自分が出演しなくなっても続いていってほしいと思えるのは、本当に大きな愛ですね。
もちろん、お客さまが許してくださるのならずっと演じ続けたいですけどね。ドクタケ忍者隊の開沼豊さんは曇鬼という役を15年以上演じていらっしゃるので、第15弾の公演中に出演600回目を迎えていました。開沼さんは、僕が“忍ミュ”に初めて出演した頃と同じぐらいの年齢から今もなお出演し続けているので、希望のような存在です。

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