――鳥越さんの熱量を近くで受け取っている植田さんから見て、その座長ぶりはいかがでしょうか。
植田「新鮮ですよね。自分でもあんまり真ん中の人じゃないって言ってるくらいなので。でも、いろいろな作品を一緒にやってきた仲なので、トリだから言えることもあるし、僕らからすると役者としても人間としても“いてくれてありがたい人”です。そんなトリが今回座長なので、トリのカラーが出た座組みになっているんじゃないかな。今回、僕はあえて一歩引いてカンパニーのことを見ているんですけど、すごく鳥越裕貴が真ん中です、という作品になってる。僕にはできない真ん中っぷりだと思います」
鳥越「いやあ、うれしい。いろいろな人の座長を見てきたからこその、自分なりの現場の作り方をしていきたいと思って。そういう歳になってきたんだなとズシンと強く思う。今回は比較的若いキャストで、19歳の役者もいるし、頑張って背中を見せないとって思いました」
――おふたりは舞台「弱虫ペダル」(2013年)が初共演だと思いますが、それから長い付き合いのある中、今回新たに発見したことはありますか。
植田「それこそ、彼が真ん中に立っているのを見るのは初めてで。いつも“いて助かるうるさい関西人”ってイメージしかなかったからね。正直なんでもできるんですよ。体のキレもすごいし、ダンスもできるし。ただ顔だけが…。敦、ビジュアル的に心配。顔のサイズもそうだし」
鳥越「びっくりした。何言うてんねん。これが舞台サイズや!(笑)」
植田「今みたいに何を言っても返してくれる(笑)。そういう部分も見ていてエネルギーのある人だなって改めて思いました」
鳥越「植ちゃんは、こんなふうに心地いいことを言ってくれてるときに程、よくボケてくれる。そこが僕にとってありがたくて、息抜きになるんです。自分が出ている作品もよく見てくれているんですが、役者の目としてもお客さんとしてもちゃんと見てちゃんと言ってくれるのが助かる。あと、“ペダル”のときからそうだけどすぐ寝れる。どないなっとんねんってくらい。中に宇宙人がいてスイッチを押してるんだと思います」
――(笑)。原作のもとになっている中島敦と中原中也、ともに30歳頃と若くして亡くなった文豪です。先ほど現場の作り方を考える歳になったとの話もありましたが、節目として30歳までにしておきたいことはありますか。
植田「もう28歳だからそう考えると、もう死にますね(笑)」
鳥越「死ぬね。舞台とかやっているとすごく思うのが、体力の前借りをしているなと。30歳になったらパカッと死んでしまうんじゃないかなってのは感じることがあります」
植田「とくに我々は体を使ってなんぼみたいなのやってきてるからね。30歳まであと2年。30歳になっても30歳を過ぎても、役者としていつまでも挑戦はしていたいと思います。2017年は本当にいろいろなことをやらせてもらった年ですが、2018年は、今までと違った仕事が増えてきそうなんです。2018年が来るの、ちょっとこわいですもん(笑)。でも今までと違う環境に臨める楽しみも感じてるので、とにかく頑張ります!」
鳥越「毎年変わらずなんですけど。コツコツ努力して積み重ねていくって姿勢は変わらず、あまり焦らずやっていきたい。あとはもうちょっとお肌に気を使おうって思う。今も気を使っているけど、そろそろ考えないといけない年頃なのかなって。人の前に立つ人間として、全身のケアをちゃんとしていきたい(笑)」
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