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松山ケンイチ「誰もが抱えているかもしれない悩みや生きづらさに通じる物語」鳴海唯と現場の雰囲気も語る<テミスの不確かな法廷>

2026/01/13 18:00

「テミスの不確かな法廷」出演中の松山ケンイチ、鳴海唯にインタビューを実施
「テミスの不確かな法廷」出演中の松山ケンイチ、鳴海唯にインタビューを実施撮影=山田大輔

松山ケンイチが主演を務めるドラマ10「テミスの不確かな法廷」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)が放送中。本作は、新聞記者である直島翔の同名小説を原作に、発達障害を抱える裁判官をはじめ、裁判所職員、検事、弁護士など、それぞれが真実を求めてぶつかり合う緊迫した法廷の攻防と、時にかみ合わない会話をコミカルに描き、“普通”とは、“正義”とは何かを問いかける。

松山が演じるのは、前橋地裁第一支部に異動してきた特例判事補で、発達障害を抱える主人公・安堂清春。幼少期にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受け、主治医の助言をもとに、“普通”であろうとコミュニケーションや振る舞い方を学んできた。発達障害ゆえに社会になじめない彼が裁判官になったのは、法律だけは個人の特性に関わらず変わらないルールだから。法律を学ぶことで自分も社会の一員になれると信じている。一方で、空気を読まずに発言したり、突発的な行動をとってしまう自分でも抑えられない衝動から、人と関わることを恐れてきた面も。だが本当は人の気持ちを理解し、社会に溶け込みたいと思っている。

そんな安堂に関わる弁護士・小野崎乃亜を演じるのは鳴海唯。小野崎はある事件をきっかけに、東京の大手法律事務所を辞めて前橋にやってきた。刑事事件において、起訴有罪率99.9%を誇る検察に弁護士の勝ち目はないが、安堂の特性をうまく利用すれば突破口が開けるかもしれないと彼に近づく。しかし、安堂と向き合ううちに、彼の抱える苦悩や孤独に触れ、いつしか自身も思わぬ影響を受けていく。

このたび、WEBザテレビジョンでは松山と鳴海にインタビューを実施。役どころや撮影現場の雰囲気、互いの印象などについて語ってもらった。

松山ケンイチ「安堂は多くの人が流してしまうような部分に引っかかる」


――発達障害を抱える裁判官とその裁判官を利用しようとする弁護士。演じる役についてどう捉えていますか?

松山:ASDやADHDといった発達障害を題材にした作品は、最近増えてきていると思います。一方で、ドラマではいわゆる“変わり者”“曲者”といったキャラクターは多かった気がします。今回、明確に特性の名前がついたキャラクターを今の時代に演じるというオファーを頂いて、自分とどこが違って、どこが似ているのかという点に強い興味が湧きました。

裁判官として中立であること、客観的であることはとても重要です。でも、安堂は多くの人が流してしまうような部分に引っかかる。それは、安堂にしか気付けない感性だと思うんです。その感性を通して、相手に自分とは違う感性や価値観を気付かせ、視野を広げさせ、大事にさせてくれる存在として、安堂はとても魅力的だと思います。

鳴海:私は弁護士役を初めてやらせていただくので、緊張もあります。でも、本当に尊敬する先輩方に囲まれながら、おんぶにだっこで甘えさせてもらいながら演じています。いい作品になるように頑張っています。

松山:初めてなんだね。たぶん、(鳴海が)劇中で一番せりふが多いんじゃないかなって思っています。

鳴海:そうなんです! 台本を最初に頂いた時点で、一番多いなと思いました。でも、松山さんはそう言ってくださいますけど、安堂さんも大変ですよね。

――専門用語も多いと思いますが、せりふはどのように覚えていますか?

松山:僕はノートに書いて覚えます。最初に出演させてもらった大河ドラマ「平清盛」(2012年)の時からずっと続けている方法で、書くと半分くらい覚えられます。僕は台本を読むと5分で眠くなっちゃうので、ノートは必須です(笑)。

鳴海:私はシンプルだと思うのですが、音読と録音です。自分の声を録音して、外ではイヤホンでその録音を聴きながら、耳と口の両方を使って覚えています。

鳴海唯
鳴海唯撮影=山田大輔


鳴海唯「毎回、新しい言葉を勉強しながら法廷に立っている感覚」


――法廷ドラマとしての難しさについては、どのように感じていますか?

松山:法律用語のイントネーションや意味の理解はもちろん難しくて、監修の方と話して実際はこうなんだと発見することも多いです。それから、東京地裁には裁判の傍聴に行き、また特性を持つ方のグループケアの現場を見学させていただきました。これは特性なのか、それとも個人の生理的なものなのか、立ち止まって考える必要があり、一つ一つ現場でスタッフの皆さんと話し合って作っています。

鳴海:私はネット辞書は欠かせないです。難しい言葉を理解しないまま話すことはできないので、毎回新しい言葉を勉強しながら法廷に立っている感覚です。

――松山さんはグループケアを見学されたんですね。現場では何を感じ、どう演技に生かしていますか?

松山:グループケアは皆さんが安心して話せる空間で、とても生き生きしていたのが印象的でした。否定や批判がなく、優しいまなざしがある。安心できる場所と、社会で必死に生きる場所、コミュニティや人とのつながりの大切さを強く感じました。

また、実際に診断を受けた方々と話す機会もあったのですが、見た目では本当に分からないんです。ASDやADHDは非常に幅が広く、「こういう人です」と一括りにはできないなと。でも、一番分かりやすいのは、会話の中で生じる“ズレ”だと思います。本人同士は成立しているつもりでも、どちらが正しいということではなく受け取り方が違っている。その感覚は、実際に話してみて強く感じました。ドラマの中でも、安堂と周囲の人物との会話にはそうした“ズレ”が多く描かれています。その感覚はうまく生かしたいと思っていました。

撮影の最初の段階から、この役の特性をきちんと表現するためには、安堂なりのルールや道筋、こだわりのようなものを共有しておいた方がいいんじゃないかという話をしていました。監督だけでなく、カメラマンを含めた全スタッフと共通認識を持つことで、より明確な“安堂像”が表現できると思ったんです。その結果、スタッフの皆さんが「安堂清春ノート」というものを作ってくれました。そこには、安堂がどんな服装をしているのか、そしてなぜその服装なのかという理由まできちんと書かれていて、さらにしぐさや苦手なこと、好きなものなども細かく整理されていて、役を理解するための大切な指針になっていました。

鳴海:そうだったんですね、知らなかったです。

――東京地裁はどうでしたか?

松山:ドラマや映画の法廷はとてもドラマチックですが、実際は驚くほど淡々としていました。短く静かで、感情の起伏もほとんどない。でも、その淡々とした中で判決が下される。人生が大きく変わる瞬間なのに、周囲は静かで冷静。感情とは別の次元に、司法というものがあるのだと実感しました。裁判官が中立で客観的である理由を、肌で感じた気がします。

松山ケンイチ
松山ケンイチ撮影=山田大輔
下に続きます

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テミスの不確かな法廷

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