神谷浩史(リヴァイ・アッカーマン役)インタビュー
――劇場版の再上映が決まるなど、『進撃の巨人』は世界的に支持され続けている作品です。アニメ最終回のアフレコからしばらく時間が経ったかと思いますが、作品の見え方が変化した部分はありますか?
作品に関わり続けてきた者としてリアルタイムの感覚を大切に覚えているので僕自身、見え方や感じ方の変化は今のところありません。ただこれから更に年月を重ねたときに、その時代時代で新たに作品に触れくれる人とリアルタイム世代の感じ方にギャップが生まれてくる可能性はあります。その感覚の違いを感じられるようになるまで見守り続けていけたらと思っています。
――リヴァイは満身創痍な状態になりながらも天と地の戦いを最後まで戦い抜きました。彼の活躍で印象に残っている場面がありましたら教えてください。
正直に言うとリヴァイが最後まで生き抜くとは思っていませんでした。なので戦いが終わってラストの捧げた心臓の行方を報告するシーンは印象深いです。切り口は変わりますがアクション作画の今井さんの手がけたシーンはこの作品を象徴するもので、アフレコしていてとても楽しかったのを覚えています。
――リヴァイはこれまで戦友たちとも多くの別れを繰り返してきましたが、とくに印象深いシーンはありますか?
彼と共に戦ってきたエルヴィンやハンジの最後は印象に残っています。
――『進撃の巨人』は単なるハッピーエンドで終わらない、余韻のあるエンディングを迎えました。物語の結末をどのように捉えていらっしゃいますか?
人間の欲望は尽きることなく、そのタガが外れたとき最も愚かな争いと言う方法を選んでしまう。そのトリガーは欲望そのものであったり怒りや恐怖であったりするのかもしれません。

花江夏樹(ファルコ・グライス役)インタビュー
――ファルコはマーレ編より登場し、劇場版のクライマックスでも大きな見せ場を作ったキャラクターです。彼の活躍についての花江さんの印象をお聞かせください。
物語がどんどん過酷になっていく中で、希望や優しさを象徴する存在だったと思います。マーレ編から登場して、最終的には重要な役割を担いました。決して派手なヒーロータイプではないけれど、彼の選択や行動が状況を大きく動かしていく。その積み重ねが、最後の大きな見せ場につながったのではないでしょうか。
――ガビに対するまっすぐな想いをぶつけたり、パラディ島勢力に対して理解を示したり、ファルコは柔軟で愛情深い好青年です。とくに魅力だと感じる部分がありましたら教えてください。
相手を理解しようとする姿勢は見習いたいです。ガビへの想いはとてもまっすぐですし、それと同時に、敵とされてきた人たちに対しても感情ではなくしっかりと向き合おうとする。マーレ側の人間でありながら、視野がとても広くて、愛情深いと思います。過酷な世界の中でああいう柔軟さを失わないのは本当に強いことだなと感じました。
――ファルコは周りに振り回されながらもその人柄でガビを支えるなど、バランサーとしても活躍してきました。彼に共感できる部分はありますか?
ファルコは常に誰かの間に立って、空気を和らげたり、支えたりしているんですよね。周りが少しでも良くなる選択をするという姿勢は、声優という仕事をしていても共感する部分があります。現場でも、全体の流れを感じながらお芝居を組み立てることが多いので共感しました。
――アニメの収録からは少し時間が経ったかと思います。改めてアフレコをふり返って印象に残っている出来事などがありましたら教えてください。
ここは戦場で、いつ死んでもおかしくない状況だという緊迫感を常に意識していました、なので現場にいるだけでかなり疲労しましたね。ガビと向き合うシーンでは、強く言いたい気持ちと傷つけたくない気持ちが同時にあって、そのバランスを探っていく作業が印象に残っています。時間が経った今でも鮮明に覚えています、心に残る役で演じられて良かったです。

佐倉綾音(ガビ・ブラウン役)インタビュー
――劇場版の再上映が決まるなど、『進撃の巨人』は世界的に支持され続けている作品です。どのような部分がファンの皆さんから愛されていると感じますか?
「自分のこととして考えざるを得ない物語」だからなのかな、と思います。登場人物たちが置かれている状況は極端で残酷ですが、選択そのものはとても人間的で、誰もがどこかで「もし自分だったら」と考えてしまう。その問いを最後まで観る側に投げ続けてくる作品でした。正義や悪を一言で片づけないところも、長く愛されている理由だと思います。観る年齢や、生まれた場所、その人が生きてきた時間によって受け取る感情が変わっていく。そうやって何度でも向き合える余白があることが世界中で支持され続けている理由なのではと感じています。
――過去のインタビューで、佐倉さんはガビとカヤの立場を比較してどちらかといえばカヤのほうが感情移入できるというようにおっしゃっていました。今ガビの立ち位置やこれまでの歩みをふり返ってみて、見え方が変化してきた部分はありますか?
ガビは自分で世界を選んだようでいて、実はほとんど選択肢がなかった。その中で「正しくあろう」と必死になった結果、たくさんのものを壊してしまったし、自分自身も壊れていった。でも間違いを知ったあとに、それでも生き続けることを選んだことを、今はすごく重く、尊くとらえています。見え方は少しずつですが確実に変わりました。許す・許せないの前に「理解しようとすること」の大切さをガビは教えてくれた気がします。
――天と地の戦いを生き延び、ガビやファルコは穏やかに見える日常へと戻っていきます。物語の結末についてはどのような印象ですか?
これが人間のすべてなのだと感じました。すべてが救われるわけでも、すべてが報われるわけでもない。人間が愚かな選択をしようと、正しい未来へ進もうと関係なく、それでも世界は続いていくという終わり方がこの作品らしいなと。ただ、それでも生きていくという選択がある。そのこと自体がこの物語の答えの一つなのかなと感じました。観終わったあとにすぐに気持ちを整理できる作品ではなく、いまを生きる私たちが人生を進むうちに、意味が滲み出てくる。そんなラストだと思います。
――最後に「進撃の巨人」を愛するファンの皆さんにメッセージをお願いします。
長い時間この作品と一緒に歩んでくださり、本当にありがとうございます。『進撃の巨人』は、観る人にとって楽な作品ではなかったと思います。それでも最後まで向き合ってくださった皆さんがいたからこそ、この作品はここまで大きく、強くなったのだと思っています。いつの日も、ぜひ「今の自分」でもう一度観てみていただきたいです。きっと以前とは違う感情に出会えるはず。これからもそれぞれの場所、それぞれの人生の中で、この作品が残り続けてくれたらと願います。





































