日本を代表する演出家・栗山民也が演出を手掛ける舞台「アンチゴーヌ」が、蒼井優、生瀬勝久ら豪華キャストにより1月9日(火)の東京・新国立劇場を皮切りに、全国5カ所で上演される。
フランスの劇作家ジャン・アヌイの「アンチゴーヌ」を原作とした本作は、法と秩序を守り権力者として政治の責任をつらぬこうとする冷静な王・クレオン(生瀬)と、クレオンに命を懸けて立ち向かおうとする若干20歳のアンチゴーヌ(蒼井)の対立を描く。
「今回を逃したら二度と見られない!」と豪語する生瀬に、本作に懸ける思いや役者としての生き方について聞いた。
目指すは唯一無二の「アンチゴーヌ」
――「アンチゴーヌ」を読まれてどうでしたか?
せりふの量などもそうですけど、役者として自分に負荷のかかるお仕事だと思いました。クレオンというキャラクターを演じるにあたり、自分の持っている価値観だとか表現力をフルに活用しないと演じ切れないと思いました。
――クレオンは冷酷というだけではなく、アンチゴーヌに対する愛情を感じられる部分もありますが、クレオンとはどんな人物だと思われますか?
皆さんは今までクレオンを演じた役者さんを見て、きっと“冷酷な王クレオン”という説明が出てくると思うんです。でも、ジャン・アヌイは“冷酷”とは書いていないんじゃないかと。演じてきた今までの俳優さんがそういうふうに演じてきたか、もしくは宣伝の人がそう書いた方が分かりやすいと思って書いたんだと思うんです。
基本、蒼井さんの演じるアンチゴーヌをどう説得するかですかね。国王として、一応は身内であるけど、その身内の彼女を王としてどう更生させるかだと思うんです。だから、僕は蒼井さんを説得するつもりでやるつもりです。僕と蒼井さんが作り出す、唯一無二のものになればいいのかなと思います。どこかステレオタイプの今までの「アンチゴーヌ」とは違って、「あの2人の(「アンチゴーヌ」)はすごかったね」って言ってもらえるのが一番の醍醐味(だいごみ)ですね。
■日程: 1月9日(火)~27日(土)@新国立劇場小劇場<特設ステージ>、2月3日(土)・ 4日(日)@まつもと市民芸術館<特設会場>、2月9日(金)~12日(祝・月)@ロームシアター京都サウスホール<舞台上特設ステージ>2月16日(金)~18日(月)@穂の国とよはし芸術劇場PLAT<舞台上特設ステージ>、2月24日(金)~26日(月)@北九州芸術劇場 大ホール<舞台上特設ステージ>
■作:ジャン・アヌイ
■翻訳:岩切正一郎
■演出:栗山民也
■出演:蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子
【HP】http://www.parco-play.com/web/program/antigone/
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