
亀梨和也が主演を務めるドラマ「ストーブリーグ」(全8話)が、LeminoとWOWOWオンデマンドで全話配信中。最終回の第8話では、ついに解散が宣告されたドリームズを守るためにGMを含むフロント陣と選手たちの“最後の大勝負”が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
球団社長が会見で「解散」を強行発表
本作は2019年に韓国で放送され大ヒットを記録したドラマの日本版リメークで、万年最下位の弱小プロ野球チームの再建に挑む、野球未経験のゼネラルマネジャー(GM)と球団運営フロント陣の奮闘を描く物語。亀梨が野球未経験ながら大胆な改革を推し進めるプロ野球チーム「ドリームズ」の新GM・桜崎準役を務め、長濱ねるが演じる編成本部長・蒔田理紗をはじめ運営スタッフたちと時にぶつかりながらも、少しずつチームに変化をもたらしていく。
亀梨、長濱のほか、野村萬斎、葉山奨之、梶原善、木村柾哉(INI)、板尾創路、勝地涼、剛力彩芽、吉田鋼太郎ら個性豊かなキャスト陣が集結している。
ドリームズ社長の根岸壮(萬斎)は、会見で球団を解散させることを発表した。弱小球団は親会社ヤオシマグループにとってお荷物でしかなく、オーナーの光雄(吉田)の意向通り前代未聞の解散を強行する構えだ。桜崎は光雄らに直談判し、解散ではなく親会社にもメリットのある売却を提案するが、「そんなことは何度も試みていた」と軽くあしらわれる。
何度も根岸の策に抗ってきた桜崎は、違う角度から彼を揺さぶる。ビジネスマンとしては「解散より身売りしたほうがグループの利益になる」と説き、さらに子どもの頃はドリームズファンだった根岸のチーム愛を呼び覚まそうとした。根岸の父親も球団社長だったが成績は低迷し、光雄からずっと「ダメな父親」となじられていた。本心を刺激された根岸は桜崎の提案に乗り、「100億円での売却」を条件に、1週間という期限で売却先を探すことを認めた。
桜崎は通話アプリ企業「PF」の社長・二階堂護(松下洸平)のところに蒔田と一緒に交渉に行くが、二階堂は終始人を食ったような反応。彼の態度に不服げな蒔田は、豊橋のドリームズを守るべく市民球団にしようと意気込む。親会社なしなら資金はファンや市民から募るしかない。
蒔田のチーム愛に感化され、フロントスタッフだけでなく選手たちも協力してスタジアムで募金をつのっていく。なんとか100億円は集まるめどが立ったものの、球団運営には150億円が必要。残り50億円をどう捻出するかが最大の課題となった。そこでPFグループには買収ではなくスポンサーとして、50億円を拠出してもらうよう桜崎と蒔田が2度目のプレゼンに行く。
今度はビジネス面からスポンサーになるメリットを説いた後、桜崎は二階堂の創業時の思い出に触れた。創業時の仲間を失っても会社の成長第一でひた走ってきた二階堂に、かつての志を実現するには数字ではなく仲間が必要だと説く。そこには過去にチームを優勝させても、いずれも解散に追い込まれていた桜崎の後悔が滲んでいた。ドリームズでは家族やチームを愛するスタッフに支えられて球団に抗ってきた、その経験から「あなた自身も変わってみませんか?」と二階堂に問う。
一筋縄ではいかぬ新スポンサーとの交渉が成立
ある条件を出されたものの、交渉は無事に成立。吉報をフロント陣に報告したところで、桜崎は初めて心の底から笑った。ずっと一緒に球団を守ってきた蒔田は「すまし顔より笑顔の方がすてきですよ」と、それを見逃さなかった。
桜崎ら現場の奮闘に刺激されたのか、根岸はオーナーの光雄に父親の代からの恨みをぶつける。父親のことは「確かにお人よしで情けない親父だった。でも信念があった。誇り高い人だった」と強い口調で言い放ち、社長を辞し、オーナー一族から離れて生きることを宣言。これからは組織ではなく自分の信念に従うことを決めた。
もう1人、桜崎も開幕直前にドリームズを去っていた。スポンサーになったPFだが、個性の強い桜崎の存在が株主に疎んじられたため、二階堂も50億円を支出する見返りに辞任を求めざるを得なかった。最大の功労者を失うのを悲しむ蒔田に、「私はあなたに…みんなに守られた。だから今がある。それに私にとって初めて守り抜いた場所になった」と返す。これまでの改革以上に、解散を阻止できた誇りを胸に抱いてチームを去った。
時は流れて2027年シーズンの最終戦、それぞれの選手が好調を維持したドリームズはリーグ優勝に王手をかけて試合に臨む。紆余曲折を経てチームに戻ってきた工藤達也(佳久創)が勝ち越し本塁打を放ち、9回のマウンドには引退危機から選手とフロントが一緒になって再契約を勝ち取った守護神・木島勇希(勝地)が立った。その頃、桜崎はスタジアムには来たものの中に入ることなく、そのまま車を走らせて海岸へ。そこにはかつての天敵・根岸がいた――。
球界を舞台にしつつ、グラウンドではない舞台裏の闘いをリアルに描ききった本作。野球未経験のクールなGMを芸能界きっての野球好きの亀梨が演じたことで、フロント・現場に通底する「プロスポーツに携わる者へのリスペクト」をひそかに視聴者に伝えてくれた。
球団スポンサー側には、萬斎や吉田という強烈な個性を放つベテラン俳優が登板。彼らが登場すると「半沢直樹」ばりの熱い企業ドラマにもなり、INIの木村が桜崎の弟・明人役で大けがを負っても野球への情熱は人一倍ある青年を好演したことで、ドラマに爽やかな風も吹かせた。
SNSには「一気に全話見ましたっ!」「上層部のキャスティングが濃過ぎて面白過ぎる」「木村くんの演技が良かった」「『プロ野球には夢がある』という言葉がここまで心に沁みるとは」といった感想が続々と寄せられ、最終話のキーパーソンとして出演した松下の演技にも「今まで見たことない洸平くんを拝見できました」「クセ強社長」「絶妙にイラッとして最高です笑」といった声が飛び交っている。
熱い“ストーブリーグ”の期間を経て、現実のプロ野球も開幕したこの時期、野球を二度、三度と楽しめるドラマだ。
◆文=大宮高史
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