家族を失った少年と、実直に生きる豆腐屋との運命の出会いを描く、小林稔侍主演の映画「星めぐりの町」が、1月27日(土)より全国公開。
本作で、小林演じる主人公・勇作の一人娘であり、自動車修理工場に勤める島田志保役の壇蜜にインタビューを行った。
作品に参加した感想や、演じた志保のキャラクターについて、父親役の小林とのやりとりなど、余すところなく語ってもらった。
――脚本を読まれた感想を教えてください。
3.11(東日本大震災)がつなぐ“これから”を描くということは、デリケートな映画になるのかなと、とても緊張しました。起きたことが、とても重大でショッキングなことですから。
そこから、どうやって一人の少年が違う土地で生きていくのか。途方に暮れるような大変なことだと思うんですよ。そんな彼のこれからを助ける一員に自分が選ばれたのは光栄だし、だけど心配だなという気持ちでした。
――ご自身が演じられた志保の印象はいかかでしょうか?
お母さんを随分前に亡くしていて、面影に思いをはせる時間も少ない中で、お父さんと二人で暮らしている。でも、その日常に対して悲観していないし、覚悟をしているわけでもない。
家があって、仕事があって、職場には上司と部下がいる。しっかりと現実を受け止めながら日々を生きている女性。実際に、豊田市で生活している人たちと何ら変わりがない暮らしをしているんですよ。
だから「この町から出たい」とか「この町が大好き!」というテンションでもない。本当に豊田市をそのまま歩いているような人なんです。
そんな人物を世田谷区民の私ができるのかという不安はありました(笑)。でも、豊田市に行ったら、どうにかなるのかなという気持ちもあって。行かないと分からないですからね。
だから、撮影で12日間連泊できたことが何よりもラッキーでした。自分の家に戻らなかったことで、入りやすく、ちゃんとできたのかなと思います。
――確かに、劇中に出てくる父娘の暮らしには懐かしさを感じました。
パッと見、昔話ですからね。囲炉裏があったし。むしろ冷蔵庫があって、洗剤とスポンジを使って洗い物をしていることに違和感を覚えました。川に行かなくていいのかなって(笑)。そう思うくらいすてきな古民家でした。
囲炉裏のちょっと苦しいような、むせるような臭いもやみつきに。どこか温かいものを感じて、お芝居をする上でそういう環境に助けられたことが大きかったですね。
――演じる時は、どんなことを心掛けましたか?
私は、割と監督や共演者ありきで考えるタイプなんです。一人で役のことを考えて演じるのは苦手なのかもしれません。監督が求めているものを尊重しながら自分の“個”みたいなものを後ろに持って行くような感じです。
今回は、私と志保が似ているという黒土(三男)監督からの説明から入って、役を作っていきました。
――監督の演出で印象に残っていることはございますか?
志保は、いつもニットを着ているんですけど、監督の中では「これ!」というものがあったみたいです。何となくしっくりきたんでしょうね。家で日本画を管理していたり、工場のつなぎを着たまま後輩とラーメンを食べに行ったり、ライダースーツ姿でバイクに乗ったり…。
志保のコスプレみたいに、服のバリエーションは多かったですね。でも、選んだのは監督一人だったので、全くおかしいところは見当たらなかったです。
1月27日(土)より、丸ノ内TOEIほか全国公開
【HP】http://hoshimachi.jp/
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