「また『イッチョカミでやんす』で学んだのは、スタジオセットの大切さ。最初のころは、さんまさんから『このセットじゃコントはできない』と言われたこともあって。番組のコンセプトを伝える上でも、演者のみなさんに気持ちよく演じてもらうためにも、いかにセットが大事なのかということを教わった気がします。『さんま御殿』でも、セットはすごく大事で。あの番組では、円柱形のセットを作って、その中で、MCのさんまさんをゲストが取り囲むような配置にしているんですが、こういうセットを作ったのも、さんまさんとゲストとの距離をなるべく近くして、本音に近いことをしゃべってもらおう、というのが狙いなんです。
さらに言うと、台本通りにいかないことの面白さも、さんまさんから学んだことですね。バラエティーって、台本通りに進行したら失敗なんですよ。バラエティーの演出というのは、例えるなら、線路と機関車を用意して、『さぁ、ここから脱線してください』というのが仕事。その点、さんまさんは脱線の天才ですから。いつもスタッフ全員で『さんまさんは多分こう動くだろう』と一応事前に打ち合わせはするんですけど、さんまさんは、本番では間違いなく、僕らの予想とは違う動きをする。でも、絶対にそっちの方が面白いんですよね。日本テレビには、本番中にさんまさんの動きだけを追い掛ける“さんまカメラ”という専用のカメラがあるくらいですから」
──そして現在、中京テレビでは、菅さんが企画・プロデュースを務める「太田上田」が放送中です。この番組は爆笑問題の太田光さん、くりぃむしちゅーの上田晋也さんの二人によるトーク番組で、BeeTVで放送されていた「太田と上田」(2014年)が前身となりますが、そもそもどんなきっかけで始まったんでしょうか?
「太田さんと上田さんが2人で楽屋で楽しそうに話している姿を見ていて、『いつかこの2人で番組ができないかな』って。その僕の発想だけで始まった番組です。でも、BeeTVでの放送終了が決まったときに、2人から『自分たちの代表作にしたいから、どこでもいいから続けられませんか』と打診されて。2人の心意気に応えなければと、いくつかのテレビ局に企画を持っていったんですが、どこでも『まずはゴールデンの特番で結果を出していただいてから…』なんて言われて、なかなかうまく行かなかったんです。そんな中で、以前『サルヂエ』(2004~2007年日本テレビ系)を一緒にやらせてもらった、中京テレビの村井(清隆)さんに話したら、『ぜひやりましょう』と、すんなり決まりました(笑)」
――太田さんと上田さんが楽しそうにおしゃべりしている様子は、見ているだけで心癒されます(笑)。
「上田さんが何をされても全部ちゃんと受け止めてくれるから、太田さんが子供みたいに楽しそうなんですよね。太田さんって破天荒なイメージがありますけど、この番組を見たら、ちょっと印象が変わると思いますよ、『太田さんって、けっこう優しいじゃん』みたいな(笑)。とにかくこの2人は、ただしゃべっているだけで面白い。僕らスタッフは余計なことをする必要がないんですよね」
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