許すことは愛情であり、戒めでもある
――主人公・杏寿を演じる仲里依紗さんの印象は?
すごくキュートな方なんですよ。ご自分がデザインされたパーカーをスタッフさんが着ていらっしゃって、「これ私がデザインしたんです~」「そうなんですね! そういうのお好きなんですね~」というお話もして。ネイリストの杏寿の細かい作業やモノ作りが好きなところ、そして誰かと笑い合うのが好き、という部分は仲さんとすごく似ていると思います。
――杏寿は浮気をした純平(塚本高史)を許しましたが、その気持ちは共感できますか?
許すことがその人に対する愛情でもある一方で、「次はないぞ」という一つの戒めでもある気がするんです。許されている方もツライでしょうし、許している方もきっとツライ。“「許す」って言葉は優しいだけじゃないんだぞ”ってことを感じますね。許すという表面だけを見ないでよねっていう意味では私は“深いな”って思うし、共感できます。許し続けることでまた2人の関係が変わっていくきっかけになるんだろうなって。
――ある意味、ジワジワと相手の首を絞めていますよね。
真綿でね(笑)。でも、それでいいと思うんですよ、そうじゃなかったら人間は楽な方に楽な方に行っちゃうし、反省しない。また同じことをしちゃうかもしれない。喉元過ぎた頃にはまた誘惑や慢心の気持ちに心が侵されちゃうことだって……人間ありますから。その意味でも「許している、許されている」という雰囲気をそばで出していくっていうのは大事なことの気がしますね。