ストーリーが進めば進むほど、「結末はどうなってしまうの?」と思わずにはいられない。坂元裕二の脚本作品は「出演者も先が読めない中で演じている」ことで知られているが、「anone」もそうなのだろうか。
次屋尚プロデューサーに聞くと「はい、その通りです。出演者の皆さんは先の展開を知らないです」と返答。
そして、「実は、(撮影を始める)最初に、『この物語の終着点がどこに行くかは分かりません』という話はしていましたが、こんなに僕も(先の展開を)聞かれなかったことは初めてですよ」と、切り出した。
続けて、「『Mother』(2010年)で田中裕子さんと初めて一緒にお仕事をしたんですが、坂元さんも田中さんと初仕事だったんです。その時も先々の台本が1,2話しかなくて、『最後がどうなるか』『どこに向かっていく話なのか』というのを最初はやはり非常に最初は気にしていらっしゃった。
そんな田中さんが『Woman』(2013年)からは何も聞かなくなったんです。本作に関しては、『みんなで乗っている船なので、身を預けます』と言ってくれていて『次どうなるの?』などは、まったく聞いて来ないわけです。そうなると、誰も聞かないですよね(笑)」と冗談交じりに、好演の裏にある田中の姿を明かす。
序盤は正体がなかなか見えなかった瑛太についても同様で「4話(1月31日放送)くらいまで、理市はずーっと何してんだか分からないし、どこ向かってるんだか分からなくて、『いやぁ、すみませんね』という話を本人にしたら『坂元さんの作品に何度か出ているので、慣れてます』と言っていました(笑)」と振り返った。
「出演者たちは先が見えない状況を楽しんでるという事か?」と尋ねると「楽しんでるのかな…、楽しんでるというか『信じてくれている』んだと思うんです」と表現した。
「信じている」といえば、演出の水田伸生監督率いるスタッフ「水田組」へも次屋Pは厚い信頼を寄せる。
「キャストもそうですけど、スタッフみんなが、この番組を愛しているなという気配をすごく感じています。みんな、誇りと自信を持ってこのドラマの制作にあたっている感じがすごくひしひしと伝わってくる。
これぞ“水田伸生イズム”だと思うんですけど、スタッフも『坂元裕二ドラマをやりたかった』という面々が集まっているからこそですよね」とチームの結束に胸を張る次屋P。
“まだ見えぬラスト”に向かって作り上げる感動の物語を、今夜も見ることができそうだ。
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