上京した末井が居を構えた長屋の隣の部屋に住んでいた牧子。寒さに震える末井を、自室のこたつに誘う積極的な一面を持つ彼女は、結婚後も転々と職を変え、仕事がない夫を支える献身的な妻。キャバレーの看板描きの仕事が決まれば「良かったじゃない!」と喜び、エロ雑誌のデザインの仕事が入れば、共に夜なべで写植やベタ塗りを手伝う。しかし、売れる雑誌の編集長となった夫は、次第に家に帰ってこなくなり…。
いつも笑顔の可憐な新妻から、常に眉間にしわを寄せ、顔を会わせればけんかばかりの倦怠期までを演じた前田の演技は、夫婦にとっての年月の残酷さと「愛情はなくなっても情はある」という苦労を共にしたからこその絆を感じさせる。
流れに任せるままエロ雑誌の編集長となった末井の前に現れた、魅力的な新入社員・笛子。猛烈に彼女にアタックする末井を冷たくあしらいながらも、ベッドの上では積極的。末井との会話を楽しんでいるのか、聞き流しているのか分からない笛子にのめり込む末井だったが、笛子もまた、末井との結婚に執着するようになり、精神のバランスを崩していく…。
“魅力的な愛人が、実は地雷だった”という、男性にとって危険すぎる女を、「鈴木先生」(2013年)、「私たちのハァハァ」(2015年)などに出演し、注目を浴びる若手女優・三浦が熱演。本作では初のヌードにも挑戦し、全身で“地雷で電波な愛人”を演じている。
幼い息子2人を置いて、不倫相手の若者と心中した富子。結核を患い、村の人たちからつまはじきにされ、寡黙すぎる夫の重吉(村上淳)との仲もうまくいっていない毎日。家族で買い物に出かけた際、ふと目があった隣家の若者(若葉竜也)と不適切な関係に陥ってしまう。しかし、二人の関係を知り、怒り狂った重吉に火鉢を投げつけられ、衝動的に家を飛び出してしまう。行き場を失った富子は、夫が仕事で使うダイナマイトを持ち出し、若者と“ダイナマイト心中”を遂げる。
尾野の色気と妖艶さが爆発した“富子”の演技は、柄本佑も絶賛した。
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