B&ZAI、31年ぶりの歴史的快挙「この先を目指してまた突っ走っていく」聖地・日本武道館で刻んだ“伝説の始まり”

8人組グループ・B&ZAI(バンザイ)が、初の日本武道館公演「B&ZAI LIVE TOUR 2026 -ROCK’N’DOL- in 日本武道館」を5月8日、9日の2日間にわたり開催した。デビュー前グループによる同会場での単独公演は、1991年のSMAP、1994年のKinKi Kids以来、約31年ぶり。2日間3公演で約2万7000人を動員した“バンドの聖地”での熱狂をリポートする(9日昼公演)。
橋本涼のシャウトで一気にヒートアップ
バンドを大きな武器に掲げ、2025年2月の結成から怒とうの勢いでエンタメ界をひた走るB&ZAI。「いずれ立ちたい場所」と語っていた日本武道館での公演が、詰めかけた多くのBaetZ(ファンネーム)の期待と興奮の中でいよいよ幕を開けた。
「幸せを始めようぜ! いくぞ武道館!!」――橋本涼のシャウトで一気にアクセルが踏み込まれると、割れんばかりの歓声が響きわたる。“バンドの聖地”だけに、オープニングはロックか…?という予想を裏切り、1曲目にお見舞いしたのはB&ZAIが誇る王道アイドルソング「なつ▽あい」。曲の序盤は、武道館の景色を各々が目に焼き付けるようにマイク一本で歌唱し、サビで一転、フルスロットルのダンスを披露。そんな緩急にBaetZは即座に対応し、「ハイ! ハイ!」のコールは冒頭とは思えないほどの熱を帯び、その圧倒的なボリュームに会場が揺れた。
アイドルモード全開で夏色に染め上げると、川崎星輝が「伝説の始まりになるライブを作ろうぜ!」とさらなる燃料を注ぐ。SMAPオリジナルの振り付けで伝統を継承した「SHAKE」、タオルを振り回す「パリピポアンセム」で盛り上げると、「大変長らくお待たせしました!」という矢花黎の言葉でグループ初の自己紹介ソング「Ready for B&ZAI」を初披露。ファンから直接ヒアリングしたメンバーの印象を基に構成された歌詞には、“それそれ!”とうなずきたくなるフレーズが次々と飛び出す。アガるコールはもちろん、アイドルらしいキャッチーな振り付けも散りばめられ、今後のライブでも定番となりそうな1曲に仕上がっていた。
その後は、仮面を用いたミステリアスな演出の「Masquerade」(Hey! Say! JUMP)、大階段で甘い歌声を響かせた「YOU」(KAT-TUN)と、先輩グループの人気曲をB&ZAIならではの解釈でパフォーマンス。天井から降りてきた8着のジャケットをその場で羽織ると、公式動画でも話題のオリジナル曲「KISS'N'DOL」へ。グループ初のクールなダンスナンバーで、鮮やかなジャケットプレイと決めぜりふが観客を魅了した。
ホールツアー(2~4月開催)でも披露した“平成ギャル”になりきるコントコーナーは、武道館仕様にスケールアップ。本高克樹が大倉忠義(SUPER EIGHT)と深夜までプロットを練ったという渾身のパートで、お嬢系ワンピ、ミニスカ、金髪ボブなどの女装をした8人が個性豊かな自己紹介で湧かせる。「DREAM BOYS」のオマージュ(!?)など笑いの要素も満載の小芝居はオチまで完璧。エンターテイナーとしてのチームワークとコメディーセンスの高さを印象付けた。
武道館を経験してきた先輩たちの代表曲をカバー
ライブ後半は、矢花の三味線で幕を開けた「ツキヨミ」が圧巻。満月の映像をバックに矢花が力強い音を奏でると、点在するメンバーがスポットライトの下で艶っぽくパートを歌い継ぐ。サビでのしなやかなダンス、8人の中央で足を踏ん張りながら演奏を続ける矢花の職人然としたたたずまいは、しびれるほどに格好良かった。
隙のない表情管理と美しさで見せた「狼青年」を経て、ライブはついにラストスパートへ。ここまで温存したバンドブロックでは、8人の魂がぶつかり合い、巨大な熱い塊となって客席へたたきつけられる。激しいラップでスタートした「アンセム」では、曲の途中からバンドセットが出現し、パフォーマンス形式が劇的に切り替わる演出に息をのんだ。
おのおのの咆哮が火花を散らし、「First Beat」でボルテージが最高潮に達すると、“武道館だからこそ”のエモーショナルな選曲が待っていた。TOKIOの「LOVE YOU ONLY」、SUPER EIGHTの「無責任ヒーロー」という、武道館を経験してきた先輩たちの代表曲を全力でカバーしたのだ。しかも、TOKIOが実際に使用していた楽器を受け継いで演奏するという胸アツな展開も。8人の心の高ぶりは、その音圧からも痛いほど伝わってきた。
今野大輝の美声ソロや稲葉通陽のバイオリンが彩りを添えた「Love so sweet」、橋本&鈴木悠仁のツインボーカルが絶唱した「BLACK FIRE」。その熱狂からなだれ込んだ「象」では、橋本が「俺たち8人に全員でかかってこい!!」とあおり、ド派手な特効の中で大暴れ! そして本編最後は、メンバー自身の思いと重なるような新曲「Braver」を投下した。瞳を濡らしながら歌うメンバーの姿もあり、熱量ほとばしるエモーショナルな雰囲気でライブは幕を閉じた。
一瞬たりとも飽きさせないステージでは、多彩なユニット曲も披露された。矢花&稲葉のチャーミングな魅力が弾けた「Puppy Boo」、菅田琳寧&本高&川崎のタットダンスとロックダンスが光る「T.A.B.O.O」、橋本&今野&鈴木の誠実な歌と歌詞のメッセージに胸が震えた「Triangle」。これまでのステージでは見せてこなかった、新たなスキルの広がりとポテンシャルを見せつけた。
夏のライブをサプライズ発表
MC中には公開囲み取材が行われ、夏のライブをサプライズ発表。東京・Kanadevia Hallで7月25日(土)から全17公演を予定しており、橋本は「実はこのライブ、大倉さんから『ぜひやってほしい』と言っていただけたものなんです」と秘話を明かした。リーダーの今野は「日本武道館に今僕らが立てているのは、これまで支えてくださったBaetZの皆さんのおかげです。感謝しかないです。この先を目指してまた突っ走っていくので、ついてきていただけたらうれしいです!」と力強く宣言した。
ROCK×IDOLを融合させた「ROCK’N’DOL」というスタイル武器に、独自の表現を磨き続ける彼ら。バンドを組んだばかりの少年たちのように、自分たちで試行錯誤し、ただひたすらに前だけを見つめる初期衝動が詰まったパフォーマンスは、潔く、そしてみずみずしい。ポテンシャル、スキル、互いへのリスペクト――その全てを兼ね備えたB&ZAIは、改めて最高の布陣だ。
最後のあいさつでは、矢花が「(自分以外の)7人がどれだけ最高かプレゼンしていいですか?」と切り出し、一人一人に寄り添う言葉を紡いだ。バンドリーダーとして音周りをけん引してきた彼だからこそ見える、仲間の成長や信頼が伝わる言葉に胸が熱くなった。B&ZAIがたぎらせる一点の曇りもない“本気”が、この先も多くの人の心を揺さぶり続けるはずだ。
◆取材・文=川倉由起子























