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渋谷龍太(SUPER BEAVER)× タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)対談|二度のメジャー契約を経た 2 人が語る、ロックバンドを続ける理由

2026/05/20 12:00

タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)、渋谷龍太(SUPER BEAVER) ※写真左から 
タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)、渋谷龍太(SUPER BEAVER) ※写真左から 撮影=宮川朋久

バンドで音を出す喜び、上京、メジャー・デビューと契約終了、バイク事故、友人の死、結婚と子供の誕生、そして吃音。LEGO BIG MORLのタナカヒロキが書き下ろした初めての小説『陽と月』は、主人公・月と、音楽仲間である陽の関係性を主軸として、バンドマンの生き方を生々しく描いた小説だ。その物語は、タナカ自身の実体験をもとにしているという。今回は、そんなタナカと長年のバンドマン仲間であり、自身も実話をもとにした小説『都会のラクダ』を発表しているSUPER BEAVERの渋谷龍太との対談が実現。「ロックバンドを続けること」をテーマに、ふたりに語り合ってもらった。

「完全にSUPER BEAVERを思い浮かべながら書いたという部分もある」

陽と月(著:タナカヒロキ)
陽と月(著:タナカヒロキ)


——『陽と月』の主人公・陽のモデルはいたんですか?

タナカヒロキ(以下、タナカ):います。ひとりではないです。うちのヴォーカル(カナタタケヒロ)と、flumpoolのベースの尼川元気、このふたりが僕の人生にとってすごくでかい存在なので、彼らの面白いところを掛け合わせたりしています。あと完全にBEAVERを思い浮かべながら書いた部分もあって。
渋谷龍太(以下、渋谷):制作活動をしている時に、自分らが少しでも脳裏にあるなんて、めちゃくちゃありがたいですね。

タナカ: BEAVERが頭の片隅にも出てこないバンドマンはいないと思いますよ、今。
渋谷:恐縮です。

フィクションの中にノンフィクションがある面白さ


——『陽と月』では何度も「バンドは麻薬」という言葉が出てきますね。

タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)
タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)撮影=宮川朋久


タナカ:麻薬なんてしたことないのに、何をわかったように(笑)。でも、LEGOに関して言うと、やめる時なんて正直なんぼでもあったんですよね。やめてもおかしくなかった状況は何回もあって、それでも気づいたらこうやって20周年を迎えようとしている。なんかすがっている、やめられずにいる。売れてるわけでも、まったく売れてないわけでもない状況のバンドマンとして、やめればもっと楽になることがいっぱいあるはずやのに、やめてないのは、やっぱり本当にバンドは麻薬なんだろうなと思いながら生きてます。

渋谷:僕の場合はめちゃくちゃ意地だったところが多くて、「何クソ根性」がすごく多かったんです。バンドでしか表現できない楽しさというよりも、最初に「意地」が来ちゃったんですよね。「何クソここでやめてたまるか」というのと、すごく悔しかった思いを払拭するには、同じ手段で自分の「悔しい」を周りの「楽しい」に変える以外ないと思ってたから。僕にしてみたら、バンドは賭け事に近いのかもしれない。「ここまでベットしちゃったんだったらやり続けるしかねえだろ」みたいな部分のほうが大きかったかもしれないな。「友達から借りた金、全部すっちゃったけど、あいつには絶対返さなきゃ。でも一発やるなら、俺がすごく悔しい思いをしたことで相手が笑ってくれなきゃ意味がない」とまだ思っちゃった部分があったので。意地かな(笑)。

——『陽と月』には実在のバンドの名前も多く登場しますが、フィクションの中にノンフィクションがある構造は思い切っていると感じました。

タナカ:主人公の月のバンドがこの下北(下北沢)にいたら、っていう設定で書いてるので、月のバンドは実在しないけど、そのバンドがミスチル(Mr.Children)やエレカシ(エレファントカシマシ)について会話するのは全然ありえるな、という世界線で書いています。地名と同じような感覚でしたね。「あの街で飲んで」じゃなくて、「下北で飲んで」のほうがイメージが湧くじゃないですか。それと同じです。
渋谷:象徴としてすごくわかりやすいですよね。ここで架空のバンドを引き合いに出して、そのバンドのすごさを語るのは大変だと思うし、それよりもみんな知ってるだろうっていうバンドをパッと出した時のほうが圧倒的に想像力は働くと思うんで、読み手としてはありがたかったですよ。

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【プロフィール】
・渋谷龍太
1987年5月27日生まれ。ロックバンド・SUPER BEAVERのボーカル。2005年にバンド結成、2009年メジャーデビュー。2011年レーベルを離れインディーズで活動を開始し、年間100本のライブ活動をスタート。大型フェスにも参加し2018年には日本武道館単独公演をソールドアウトさせる。結成15周年を迎えた2020年4月にメジャー再契約し、結成20周年となった2025年にはZOZOマリンスタジアムにてワンマンライヴを開催、2日間でおよそ6万人を動員。2026年には東京ドームと京セラドーム大阪でそれぞれ2日間にわたる単独公演が控えている。
X:https://x.com/gyakutarou
Instagram:https://www.instagram.com/gyakutarou/

・タナカヒロキ
1984年10月25日生まれ。2006年結成のロックバンド・LEGO BIG MORLのギタリスト。エモーショナルなサウンドで人気を集める3人組バンドで、主に作詞を担当。繊細かつ鮮烈な歌詞で聴く者の心を魅了している。
自身も吃音者であり、吃音をテーマにしたメディア『KITSU』を運営。
『陽と月』が初著書。
X:https://x.com/tanakawakame
Instagram:https://www.instagram.com/hiroki2133/
KITSU:https://kitsu.jp/

【書籍情報】
・都会のラクダ(著:渋谷龍太)
SUPER BEAVERボーカル渋谷龍太の処女作!
バンド結成から現在までを描いた自伝的小説。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322105000866/


・陽と月(著:タナカヒロキ)
吃音症のバンドマンが描く、実話をもとにした音楽小説
“才能がない者のためにバンドがあって欲しい。
上手く言葉が出ない者のために歌があって欲しい。
そのどちらもロックが昇華して欲しい。”

吃音の作詞家が、最愛の親友へ贈る、最初で最後のラブレター


バンドで成功することを目指し、夢と現実の狭間を生きる、吃音症のバンドマン・月。太陽のような性格で天然だが、音楽の才能に溢れている親友のバンドマン・陽。
対照的な2人のバンドは、当初はどちらも華々しくデビューした。
しかし両者はその後、まったく違う道を歩んでいき……
夢は叶わなかったら不幸なのか。売れたら本当に幸せなのか。そんな想いの中で揺れ動きながらバンドマンとして進んだ先に2人が見たものとは。
吃音症でもある「LEGO BIG MORL」のギタリスト・タナカヒロキが描く、圧倒的青春小説。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322506000207/

▼monogatary.com公式連載
https://monogatary.com/story/530790



陽と月
陽と月
タナカ ヒロキ(LEGO BIG MORL) (著)
KADOKAWA
発売日: 2026/05/20
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  • タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)、渋谷龍太(SUPER BEAVER) ※写真左から 
  • タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)
  • 渋谷龍太(SUPER BEAVER)
  • 都会のラクダ(著:渋谷龍太)
  • 陽と月(著:タナカヒロキ)
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