アンジャッシュ渡部建、「エンタの神様」独自演出に『耐え難い』と思った過去
思い出に残っているネタはありますか?
児嶋:最後にちょっとだけ、僕がお尻を出して終わるっていうネタがありました。
渡部:ちょっとだけお尻を出して終わるっていうコントだったんです。当然お客さんもいますから。なのに、本番でアドレナリン出ちゃって、ズルンっと全部出ちゃった。僕の頭で隠すので、目の前に僕は児島さんの“菊の門”。衝撃でしたよ、あれは。
児嶋:終わった後、渡部から「いや、テンション上がって全部出ちゃってたから」みたいのをずーっと言われたのを覚えています。「あ、俺、すごいところですごいもん出しちゃったな」と後から思いました。
総合演出の五味さんとの思い出はありますか?
渡部:最初は全然言う事を聞けなくて。やっぱり僕らには舞台、ライブでのキャリアがあって、そこそこ結果も出ていましたから。それこそ「テロップを入れる」などの「エンタ」独自の演出は、最初、耐え難くて。今だから言えるけど、収録前日の朝まで「もうじゃあ出ません」「それはダメだ」くらいのケンカは毎回していました。
でも、五味さんからは「テレビでネタをやるということがどういうことか」を叩き込まれました。チャンネル変えられちゃったらもう終わりなんですよね。特に、僕らのネタなんか最初見逃したら、後半まったく分からなくなるネタが多いから、陣内智則さんとかに比べて毎分視聴率が悪い。
とっくに首を切られてもおかしくないんですが、愛情を持って、「どうすればアンジャッシュの良さを『エンタの神様』で出せるのか」「テレビとは」を全部教えてもらいました。シビアな環境で、毎分視聴率を下げると芸人はどんどん呼ばれなくなるというのがあったので、僕らに対しては粘り強くやってくださったんだと思います。
当然、演芸ファンから批判もあって、出演について散々言われたこともありました。
それでも、僕らはそもそもこの番組で全て知名度も出たし、お仕事もいただけるようになった。これだけの人にネタを見ていただける機会ってないので、本当にテレビっていう媒体の正意が分かったというか、当時の自分を振り返ると「すごい青臭いこと言ってたな」と思いました。ガキ過ぎました。