
SUPER EIGHTの安田章大が、7月19日に都内で開催された映画「平行と垂直」東京プレミア バリアフリー上映試写会の舞台あいさつに、俳優・のん、小林聖太郎監督と共に登壇。役さながらの兄のようにのんに寄り添う場面があった。
自然に共鳴して作り上げたきょうだい役
8月28日(金)公開の同作は、安田の初の企画作品で、自閉スペクトラム症の兄と結婚を控えた妹が、人生の節目にそっと触れ合いながら、自分たちの“これから”を見つめ直す物語。
登壇した安田は、7月2日のジャパンプレミアでの反響について「SNSの使い方があまり分からなくて、直接自分では見られないのですが、周りから『いい反応だよ』と言われています」と明かし、「マスコミ試写で僕がお声がけさせていただいたドランクドラゴンの塚地(武雅)さんだったり、大先輩の小林幸子さん、俳優の勝矢くんが来てくださって、見た後『ちゃんと心に響く、優しく、つらいだけではない和やかなところもあり、寄り添ってくれるものだな』という言葉を頂いたりして、(作品を通して伝えたいメッセージを)届けられて幸せだなというふうに思いました」と述懐。
また、企画から携わったことについて「届けていかなきゃいけないこととして『皆が手を取り合うこと』というのがすごく明確に見えてきて、手を取るためには相手のことをよく知らなきゃいけないし、『自分が一歩踏み出すことだったり、せめて半歩でも寄り添えることが大事なんだな』ということを知ることが大事。そのきっかけが必要なんだと思っています」と企画意図を語った。
ほか、きょうだい役について質問が及ぶと、のんが「台本に書かれてあることの中から解釈したりして土台を準備していきましたけど、現場に行くと初日から安田さんとのシーンだったのですが、既に大貴がそこに存在していて、『私はこの大貴に寄り添えばいいんだな』と安田さんの演技によっていろんなものが見えました」と告白。
すると、安田も「僕もそのシーンで、のんちゃんが演じる希がそういう感じだったから、『じゃあ僕はこういう感じになっていくんだな』と勝手にインストールされた瞬間があったよ」と返し、互いに役者として自然に共鳴して役を作っていったことを明かした。
そんな中、小林監督がスタッフに自閉スペクトラム症について簡潔にまとめた資料を配布したというエピソードを披露すると、のんが突然「私は膨大な資料を頂いて、その中から1冊の分かりやすそうな本を借りたんですけど、借りパクしてます。今も」と自白。
安田が「こんな場所でそんな…。タイトル『借りパク』になりますよ」とツッコみを入れて笑いを誘う中、のんは「でも、お返しするつもりで家にあります!」と弁明。そんなのんに、安田は「(返す)つもりやもんな」と役さながらの兄のように優しく寄り添い会場を沸かせた。
◆取材・文=原田健

安田章大が企画から関わったきょうだいの物語
自閉スペクトラム症の兄・大貴(安田)と、兄を幼い頃から支えてきた妹・希(のん)。きょうだいは幼い頃に母親を亡くし、ネグレクト気味の父親から距離を置き、2人で懸命に生きてきた。大貴はほとんど会話をせず、表情もあまり変わらないように見える。
グループホームから自立を目指して、一人暮らしを始めた大貴は独自の規則を持っている。全てを平行と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強く、机に並ぶ食器も丁寧にそろえる。週に一度の希との食事の時間は決まって19時。1分でも過ぎると落ち着かなくなる。
カウンセラーの仕事をしている希は恋人からプロポーズを受け、一抹の不安を抱えながら兄と共に、婚約者の両親に会いに東京へ向かうことに――。
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