
緻密なストーリーから映像化不可能と言われていた原作を実写化した映画「ミステリー・アリーナ」が、8月14日(金)からPrime Videoで世界独占配信される。一攫千金のクイズ番組とミステリー小説を題材に、どんでん返しが次々と起こるこの物語。アフロヘアにサングラス、1970年代風のパンタロンというド派手な風貌で、毒舌を振るう司会者・樺山桃太郎役の唐沢寿明の怪演も話題を呼んだ。お盆の配信開始を目前に、初見の人も「ミステリー・アリーナ」を楽しめるように、ザテレビジョン視点で司会者・樺山桃太郎に挑む“6人の解答者”を中心に、作品の魅力を紹介する。
クイズ番組に“最強のチャレンジャー”6人が集結

本作は、ミステリー小説ランキングを席巻したミステリー作家・深水黎一郎氏の同名小説を原作に、「TRICK」シリーズや映画「20世紀少年」三部作などを手掛けてきた“鬼才”堤幸彦監督が実写映画化。「白い巨塔」「トイ・ストーリー」シリーズなど、代表作には事欠かない唐沢の主演で2026年5月22日に劇場公開された。
映画はいきなり嵐の洋館から始まり、ほどなくして第一の殺人事件が発生。そこでようやく華やかなスタジオに切り替わる展開が、本作最初のどんでん返し。観客も生放送のクイズ番組の解答者と同じ目線で、映像の中の事件を推理していく構成だ。さらに映画版では、文章で示される原作の推理を映像として視覚化する仕掛けが加えられている。

この賞金100億円の生放送番組「ミステリー・アリーナ」は、大みそか恒例の大型クイズ番組で、ミステリー小説の犯人を当てるのが解答者のミッション。ところが早押しかつサドンデス形式のために、間違えた時点で脱落という大型クイズ番組らしいエンタメ性がある。
唐沢演じる個性派司会者の樺山と対峙(たいじ)するクイズ解答者も訳ありのくせ者ばかり。閃きの天才少女・一子(芦田愛菜)、直感の勝負師・ギャンブル(鈴木伸之)、伝説の初代王者・レジェンド(玉山鉄二)、理論の先駆者・エジソン(野間口徹)、データ分析のシン人類・仏滅(奥野壮)、博識のミステリー女王・あのミス(浅野ゆう子)の6人だ。
そして一子の隣には、なぜか一子にしか見えていない謎の女性・サンゴ(三浦透子)、樺山の隣にはアイドル出身のアシスタント・モンテレオーネ怜華(トリンドル玲奈)もいて、いずれ劣らぬ個性派ぞろい。

芦田が抜群の存在感で快演、“閃きの天才少女”・一子
その中でも、特筆すべきは数多くの作品に出演してきた芦田演じる“天才少女”の一子。芦田は「Mother」(2010年、日本テレビ系)でお茶の間を泣かせ、「マルモのおきて」(2011年、フジテレビ系)では社会現象を起こして“国民的俳優”となった。その後も俳優業にとどまらず、声優やバラエティー番組のMC、ナレーションなど、芦田の活動は多岐に渡る。
そんな芦田が本作で演じる一子は、「IQ180の天才少女」らしくないところも魅力。推理に苦悩するところもあるし、感情をむき出しにすることもしばしば。この番組のからくりにしっかり翻弄(ほんろう)されている。彼女にしか見えないサンゴとのやりとりでも人となりがにじむが、芦田が等身大の少女として演じる一子が、華やかなエンタメの奥に隠された謎に迫っていく。そのどんでん返しこそが、本作が痛快なエンタメたるゆえんだろう。

芦田にとっても大先輩の唐沢をはじめ、百戦錬磨のキャストに囲まれ、ビジュアル面も含めてクセの強い登場人物の中から自然体の人物像を際立たせるのは難しさもあっただろう。それでも、自身の“見せ場”では、他を圧倒する存在感を発揮している。

ガンアクションも見どころの“ギャンブル”(鈴木伸之)
また、ドラマ・映画「HiGH&LOW」(2015年ほか、日本テレビ系)シリーズや「今日から俺は!!」(2018年ほか、日本テレビ系)などでの“アウトロー”な役にも定評がある鈴木が、ギャンブルという一見アウトローなキャラクターを任された。
ネタバレになるので経緯は避けるが、鈴木は本作で初めてのガンアクションにも挑戦している。「銃を撃つ行為は、人生でも作品でも初めての経験だったので、すごく貴重な体験でした」と映画のオフィシャルでもコメントしているが、撮影前にしっかり稽古を積んだそうで、構え方からして“本職”のそれにしか見えなかった。本作の鍵を握る、彼のアクションシーンにも注目してほしい。

言葉の迫力で謎の存在感を発揮する科学者“エジソン”(野間口徹)
30代半ばでドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」(2007年、フジテレビ系)をきっかけに注目され、近年はドラマ・映画に欠かせないバイプレーヤーとして活躍する野間口。彼が演じるエジソンは、見た目は普通そうだが、言葉の端々に迫力があり、どこか変わった科学者。スキャンダルで研究が頓挫してしまい、その再開のために賞金を狙っている。
野間口は「無個性」「存在感が薄い」という自虐ネタすら持っているが、その分どこにいても安定感たっぷりで、どんな職業の人にもなりきれる。それでいて決して背景に埋もれないのが野間口の演技力であり、本作でのエジソンの振る舞いにも発揮されている。

ドヤ顔推理のうさんくさい初代王者“レジェンド”(玉山鉄二)
そして、ストーリーでは6人の中で最初に解答を披露した玉山扮(ふん)するレジェンド。初代王者らしくドヤ顔で推理を披露するものの…その後の姿も含め、かなり意表を突く役回りだった。連続テレビ小説「マッサン」(2014-2015年、NHK総合ほか)をはじめ、二枚目からコミカルな人物まで幅広く演じ、特に“二枚目”な存在感に定評のある玉山だが、今作のレジェンドは自信たっぷりな立ち居振る舞いで格好いいけど、ちょっとうさんくさいキャラクター。
本作の初日舞台あいさつで唐沢や芦田も見どころとして挙げた、いわゆる“干物姿”は、夢に出るレベルの衝撃度。こちらもネタバレなので詳細は控えるが、食事中に視聴する際はご注意ください。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。


































