沖縄のRBCiラジオは、毎週土曜の昼3:00~新番組「動画配信型才能発掘バラエティー にんきもんラジオ」がスタート。“中高校生をターゲット”という番組のメッセージ投稿はSNSのみ。あえてメールやハガキを受け付けない独自のスタイルで作られる番組に密着した。
同番組は2017年12月に開催された合同学園祭「にんきもん」のイベントから派生した番組。高校生が主体となって立ちあげた同イベントは、お笑いや歌、ダンス、ファッションショーなど、多くの高校生がステージに登場し、1000人以上の観客が詰めかけた。番組は、イベントの主要メンバーが登場し、彼女らの「キニなる」ことを掘り下げ、若いリスナーと繋がっていくバラエティー番組。放送と同時に動画配信も実施し、“聴けて見る”コンテンツとなっている。4/7(土)の放送は、沖縄の若手お笑い芸人のクーターシンカ(山城皆人・新垣勝利)、凸凹トラベリング(比嘉崚人・冨着海陸)、ナカチと高校3年の松川桐子さん、新川未夢さんと高校2年の佐久川偉音さんが出演した。
中高生向けの番組制作を手掛けた多和田真梨奈プロデューサーは、最近はテレビやラジオよりもネット寄りの傾向が強く、「若い人たちにラジオを聴いてもらいたい」と思っていた矢先に「にんきもん」イベントの盛況に着目。イベントで登場したメンバーが出演することによって、ラジオに興味を持ってもらえたらという思いから、今回の番組が誕生した。ネットは主体の人が情報を一気に拡散する力を持っているが、ラジオはパーソナリティーとリスナーの距離感が近い分、(メッセージのやり取りなどで)心に刺さっていくのがラジオの魅力だと語る。
今回のメンバーは、ほとんどがラジオパーソナリティー初心者。クーターシンカの山城は、(2時間半の生放送なのに)プロデューサーとの事前打合せは、ほとんど無かったとのこと。「ありのままに好きなように任せる」と言われ、信頼されたことがうれしかったと話す。細かなプログラムは設けずに番組は進行し、身内の話や高校生の恋愛に関する話のほか、凸凹トラベリングが沖縄の中心街に飛び出し、中高生にインタビューを敢行するなど、出演者それぞれがありのままの姿で、和気あいあいと番組は進んでいった。
第1回の放送を終えて、松川さん、新川さん、佐久川さんの3人は「噛まないか緊張したけど、男性陣がうまく進めてくれて、あっという間で楽しかった」と、緊張がほとげたのか笑顔がはじけた。番組のほとんどを街頭インタビューに駆りだされた凸凹トラベリングの2人は「(中高生たちが)みんな恥ずかしがるかと思ったら、積極的にインタビューに応じてくれた」と中高生たちにしきりに感謝していた。今後ラジオでやってみたいことに関して、「頑張っている部活生を応援したい。沖縄の高校野球は強いので、うまく連動したい。僕らが立ちあがらなくても県民は応援すると思うけど…」「沖縄はお笑いが根付いていないので、番組を利用しながら沖縄のお笑いの存在感を示したい」とそれぞれが意欲を見せた。
「(初回なので)初々しいさがあったが、勢いがあった分、あっという間だった」と語るのは照屋勇樹ディレクター。いろんな企画の中で出演者のみんなは(リスナーである)中高生たちから新しいスターを発掘できるように盛り上げてもらいたい。自分自身も生放送は初体験で、今回は作り手も出演者も、もちろん聴いてるリスナーもほとんどが初めてな分、若い子たちの居場所になっていけると思うので一緒に(番組を)作っていきたい。リスナーがラジオのジングル(番組の節目に挿入される短い音楽)とか作ってもらいたいと今後の可能性も語ってくれた。
多和田プロデューサーは「初回は大変楽しく話が散らかって騒がしく、手応えを感じた」と大満足のようす。「ラジオなのにパインにふんしてくれたりと、さまざまな工夫を凝らし、これまで我々が思いもつかない新しいラジオの可能性を発見してくれるのでは…と思うと今後が楽しみ」と若者たちが秘めた新しい可能性に期待を膨らませていた。
中高生をターゲットにした番組とは言いつつも、若い人たちの等身大の姿が垣間見えるので、大人でも十分に楽しめる。中高生のみならず多くの人々に“にんきもん”になってもらいたい番組は、毎週土曜日昼3:00~RBCiラジオで放送される。
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