
Stray Kidsが2024年8月から2025年10月にかけて、世界35地域で全56公演を行った自身最大規模のワールドツアーに密着したライブドキュメンタリー映画「Stray Kids : The dominATE Experience」が、9月2日に配信された。世界中のSTAY(=ファンネーム)を魅了し、今やK-POPを代表するグループの一つとなった“スキズ”ことStray Kidsだが、まだ詳しく知らないという人もいるだろう。そんな“スキズ未修”のあなたに、彼らの歴史をコンパクトに解説しよう。
デビューのきっかけはオーディション番組
本作は、Stray Kidsのワールドツアー「dominATE」から米・ロサンゼルスのSoFiスタジアムで開催した公演を中心に、アデルやテイラー・スウィフトら世界的アーティストのライブ映像を手掛けてきたポール・ダグデール監督らが、最新のカメラワークと音響で圧巻のステージを映し出したドキュメンタリーフィルム。2026年2月に世界全61地域で公開され、北米では公開初週末に約560万ドル、メキシコでは約210万ドルを記録して1位を獲得し、ドイツでは約160万ドルを記録し、現地K-POP映画史上最高のオープニング成績を達成した。
Stray Kidsのメンバーは、バンチャン、リノ、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、アイエンの8人。始まりは2017年に韓国で放送されたサバイバル・リアリティー番組「Stray Kids」だった。
一般的なオーディション番組と大きく違うのは、個人同士が競い合うのではなく、バンチャンを中心に集まったJYP Entertainment練習生のチームが「全員でデビューできるか」に挑んだという点。途中、リノとフィリックスが一度脱落したものの、最終的に復帰し、グループは2018年3月に正式デビューを果たした。その後、2020年3月には日本デビューも果たし、2023年にはNHK紅白歌合戦にも初出演するなど、日本でも多くのファンを抱えている。
彼らの最大の特徴は、“自分たちの音楽を自分たちで作る”こと。バンチャン、チャンビン、ハンによるプロデュースユニット「3RACHA(スリーラチャ)」が楽曲制作の中核を担い、ヒップホップ、EDM、ロックなどを大胆に融合させ、そこに金属音や電子音をリズムとして取り入れ、自分たちならではの遊び心と疾走感あふれるサウンドを確立。若者の不安や孤独、「周囲と違っても自分の道を進みたい」という切実な思いを歌い上げ、多くのファンを獲得してきた。
楽曲制作を担う「3RACHA」のほか、リノ、ヒョンジン、フィリックスによるダンスユニット「DANCERACHA(ダンスラチャ)」、スンミンとアイエンによるボーカルユニット「VOCALRACHA(ボーカルラチャ)」があり、それぞれの強みを生かしながら8人ならではのパフォーマンスを作り上げている。
2020年に「God’s Menu」が世界的な注目を集めると、翌2021年にはK-POPボーイズグループによるサバイバル番組「KINGDOM : LEGENDARY WAR」で優勝。2022年にリリースしたミニアルバム『ODDINARY』では、米国のメインアルバムチャート「Billboard 200」で初登場1位を獲得し、世界的グループとしての地位を一気に高めた。
スキズの個性を体現した楽曲の一つが、中毒性の高いビートが印象的な2020年のブレイク曲「God’s Menu」。また、韓国の伝統的な音や衣装を現代的に再構築した「Thunderous」や、自らを“特別な存在”だと言い切る「S-Class」、大胆なサウンドと振り付けで世界的な人気を広げた「MANIAC」も外せない。やんちゃで反抗的に見えながら、音楽に向き合う姿勢は驚くほど真剣で、そのギャップも多くのファンを引きつけている。
8人のキャラクターも個性豊か!
もちろん、8人のキャラクターも魅力的だ。リーダーとしてチームを牽引し、制作も担うバンチャン、キレのあるダンスと独特のユーモアが持ち味のリノ、K-POP界トップクラスの高速ラップが武器で、周囲を気遣う人柄も魅力のチャンビン、表情豊かなパフォーマンスで視線を奪う繊細なヒョンジン。歌、ラップ、作曲を自在に行き来するオールラウンダーのハン、低音ボイスと柔らかな人柄で知られる美形のフィリックス、澄んだ歌声と鋭いツッコミが光るスンミン、そして芯のあるボーカルを聴かせる、かわいい末っ子のアイエン。
「The dominATE Experience」が面白いのは、そんな彼らの“強さ”だけを映していない点である。フィリックスは、若くしてこの世界に入ることを決断し、集中するために多くのものを手放したものの、進むべき道を見失ったこともある。だが、誰かの「光」になろうと歩んできたことを告白し、チャンビンは強いイメージの内側に感情的で繊細な自分がいることを認めつつ、それを弱さとは考えていないと語る。
また、ヒョンジンは“傷ついた葉のほうが香ばしい”という言葉が生きる原動力になっていることを明かす。一方、常にプレッシャーに追われていると語るバンチャンは、楽屋でもパソコンに向かって作業しながら、ストレッチ中に痛そうな表情を見せたフィリックスに気付いて声をかける一幕も。熱狂的なステージと同時に、彼らの繊細さや素顔も見せてくれる。
グループ名のStray Kidsは、直訳すれば「道に迷った子どもたち」。恐らく、彼らは世間から正解とされる道をそのまま進むのではなく、迷いながらSTAYと共に自分たちの道を作ってきた。2026年8月29日、30日には、海外男性アーティストの単独公演として史上初となる東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で、「Stray Kids World Tour
強く華やかなパフォーマンスの奥にあるのは、傷つきやすさと努力の跡、そして仲間への強い信頼感。ドキュメンタリーフィルムでその素顔を知れば、彼らが世界を熱狂させる理由も、より実感できるはずだ。
映画「Stray Kids : The dominATE Experience」は、ディズニープラス スターで見放題独占配信中。
◆文=及川静
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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