自由奔放なダー子、臆病なボクちゃん、いつも温厚なリチャード、3人がここまで魅力的なのにも理由がある。
「各話、ゲストの話なので、レギュラーの出演者はなるべく少なくしようと考えました。最初は全くキャストも関係なく3人組を書き始めましたが、長澤さんが早い段階で決まったので、長澤さんは割と本を書くときに意識して、ご本人からの影響も受けました。
小日向さんも決まってからは何となくリチャードのキャラが崩れていったんですけれど。どうしても小日向さんが演じると思うと、面白いことをやらせたくなってしまう…(笑)」(古沢氏)
「(ダー子の)ハニートラップが下手という設定は、本当にきれいな人がやるから笑えることだから、やろうかなと思って。また、ダー子の存在を際立たせるためには正反対の人物が必要なので、ボクちゃんという詐欺師を作りました」(古沢氏)
そんな古沢氏だが、“どうすれば愛すべき詐欺師になるか”には苦労したという。
「詐欺師はね、誰がどう考えても悪い人なので(笑)。ダー子たちの生い立ちや背景も、あまり明らかにしちゃうと、ジメッとするというか(笑)。悲しい過去があったんじゃないかと思うじゃないですか。そういうのは、もういいんじゃないかと思って、面倒くさくなっちゃったんです(笑)。
とにかくこの3人や出演者たちが魅力的でやりとりが面白くて、毎回この人たちに会いたいと思って見てもらいたいです」と古沢氏は3人のキャラクターへの思いを明かす。
そんな、古沢氏が描く“愛すべき詐欺師”について、プロデューサーの草ヶ谷大輔氏はこう分析する。
「ボクちゃん(東出)が視聴者の目線に近い状態で、『だますなんて良くないこと』と思っている一方、ダー子は完全に振り切って『悪いことじゃないんだよ詐欺師は!』って平然としている、その両極端な振れが愛される理由だと思います。
また、脚本や演出、衣装などは共通して、各話のターゲットを“いかに悪く見せるか”を意識していて、悪役を演じるゲストの役者の方も、いかに悪くなるか、楽しんでやってくださっていますね」
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