“カメレオン俳優”の秘密
──ところで、中村さんはいろいろな役を並行して演じていますが、切り替えはどうされているのですか?
基本的には、凧揚げみたいなものだと思っています。凧は揚がっているんですけど、その糸を持っている人は地面にいる。そんな感じじゃないでしょうか。いろんな役をやっていろんな凧を揚げるんですけど、Aの役をやったらその凧を回収して、Bの凧を揚げて…と。
──他の役に引きずられることは無いのですか?
もちろん自分の人生とか経験をリンクさせたりはするんですけど、それはあくまで“糸”の部分で、演じる役は全部“別の人”だと思っています。自分に近いなと思うキャラもありますが、それでもやっぱり凧なので、結局、自分とは離れているんですよね。なので、「切り替え」ということでは、それほど苦労していないのかも知れません。
──そのあたりが“カメレオン俳優”である由縁なのですね。
そう言っていただけるのは、本望です。「いろんなことをやっているけど、結局 実態を掴めないな」って思われたくて。
芸能人としてはパーソナルな部分にほれてもらうのが良いと思うんですけど、役者としては、「中村倫也に合う役はこれだよね」っていうのが、人によって違うといいなと思っています。
──そんな中村さんにも、演じづらい役はありますか?
あります、あります。説明せりふが多いと、「なんでだよ!」ってイライラします(笑)。
“正人ロス”を起こしたい!
──では、あらためて、正人の注目ポイントを教えてください。
見ている人に気付かれないようにと心掛けながら、実は結構遊んでいます。「この目線はなに?」「この間(ま)はどういう意味?」みたいなことを、想像してもらえたらと思いますね。
──SNSにコメントを書き込みながら視聴している人も多いですが、そういう反響も気にされていますか?
逐一、マネージャーが教えてくれます(笑)。「へー、面白いね」っていう感じで聞いていますね。
──ずばり“正人ロス”を期待しますか?
このあいだ林遣都くんと話していたんですが、彼は「(『べっぴんさん』で)“ロス”が起こると思ってたんですけど、ちくりとも刺さらなかったです」と言っていました。「倫也さんも、起こると思っても起こんないですからね」と(笑)。
だから、絶対に起こしてやろうと思っています。でも、起こそうと思って起こせるものでもないので、メディアの方にはぜひ、起きていなくても“正人ロス”が起こっているかのように書いてほしいです。それを遣都に見せたいと思います(笑)。