秋元康が企画・監修を務めることでも注目を集めている「青春高校3年C組」(テレビ東京ほか)。一般応募で“入学”を希望する若者たちの中から生徒を集め、1年間をかけて“理想のクラス”を作り上げていく、平日夕方の生放送バラエティー。今年4月の放送開始以来、個性的なクラスメートが徐々に集まり始めているが、その全曜日の演出を担当しているのが三宅優樹氏だ。「『―3年C組』は、打ち合わせから現場まで、とにかく楽しい」という三宅氏に、番組の制作秘話のほか、自身のキャリアやターニングポイントなどについて、たっぷりと語ってもらった。
――三宅さんのテレビマンとしてのスタートは、いつからになるのでしょうか?
「2009年にテレビ東京に入社してからですね。一番最初は、『ペット大集合! ポチたま』(2000~2010年テレビ東京系)にADとしてついたんですが、スタジオに集まった犬や猫の、フンとかオシッコを後始末するのが大変で。毎日、消臭剤でシュッシュッてやるのが主な仕事でした(笑)」
――もともとバラエティーの制作を志望されていたんですか?
「いえ、違うんです。きっかけは僕が大学3年生のとき、1年間アメリカに留学していたんですが、1週間のうち、土曜日の2時間だけは日本のテレビを見ていいっていう、ご褒美の時間を自分で設けて、いろいろな番組を見ていたんですね。そんな中で、たまたま『ゴッドタン』(2007年~テレビ東京系)の『キス我慢選手権』を見たときに、腹を抱えて笑ったんですよ。アメリカで暮らし始めてから7カ月くらい経ってましたけど、アメリカに来てから初めて声を出して笑ったのが、この『キス我慢』を見たときだったんです。そのときに、普通に生活している人を笑わせるのって、すごいことなんだとちょっと感動してしまって。その後、留学生活を終えて日本に帰ってきたとき、テレビ東京の採用試験にまだ間に合うということを偶然知って、試験を受けてみたら、運良く入社することができたんです」
――「ゴッドタン」のようなお笑い番組を作りたくて入社したのに、犬や猫のフンを拾う日々が始まってしまった、と…(笑)。
「もちろん今となっては、フンの後始末だって番組を作る上で大切な仕事だというのは分かるんですけど、正直、そのときは全然面白くなくて。『やってらんねえよ』なんて、同期のADによく愚痴ってました(笑)。
ちなみに、(『ゴッドタン』のプロデューサー・演出を務める)佐久間(宣行)とは、今、『―3年C組』で一緒に仕事してるんですが、僕が『ゴッドタン』を見てテレビマンを志すようになったという話は、恥ずかしくて一度もしたことはないです(笑)」
――その後、バラエティーを中心にお仕事をされていますが、初めて、スタッフとしての務めを全うできたと感じた番組は?
「入社した年の秋に、『ありえへん∞世界』(2008年~テレビ東京系ほか)のADになったんですが、当時はまだ深夜の放送で、お金も人も非常に少ない番組だったんですね。ADも2人しかいなくって。でもその分、僕みたいな1年目のADも、いろんな仕事をやらせてもらえて、ラッキーなことにロケを1本丸々任せてもらうこともけっこうあったんですよ。小さいカメラを持って取材して、VTRの編集も自分でやって、それが放送されるっていう、自分の発想をダイレクトに表現できる機会を、早いタイミングでいただくことができた。そのあたりから、自分の企画が具現化する楽しさを知ったというか。自分が面白いと思ったことを表現できるテレビって楽しいな、と思えるようになりました」
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