これ以上には考えられない、願い通りのキャスティングが実現しこの上ない喜びです。
皆様、真摯(しんし)に役に取り組んでいただいて、この映画にしか表現できない世界を作ることができたと確信しています。
今は仕上げの段階で、もっともっと良くなるのではと日々悩んでおりますが、いろいろな意味で“代表作”になる自信があります。
老若男女たくさんの方々に“染み入る”映画になれたらと思います。劇場でお待ちします!
僕が演じた星野という研究者は、命に対しての選択を迫られる家族の側で、少しずつ純粋に、そして盲目的になっていきます。
正解がない現実を星野なりの苦悩をしながら生きる姿を是非ご覧ください。
原作を読んで、とても深いテーマだと感じ、その中で真緒の生き方や在り方を上手く表現できればいいなと思いました。
真緒は物語の中では播磨家を客観的に見ている登場人物の1人です。恋人の星野のことを一番に考え待ち続ける、心が広く優しい女性です。
現場では、とても難しい役に挑まれた篠原涼子さんの、母親の強さや感情の表現を間近で見ることができ、とても勉強になりました。
守るべきものがある全ての方に見ていただきたいです。
「人魚の眠る家」Before and After
動いている物が生き物だ、イノチある物だと子供は思った。「動く」生き物の世界と同時に「眠る」ことが生きかえるための休息であることを子供は急速に勉強をした。
幾年かたって子供はカクレンボという遊びの中で、一人息を潜めて「動かない」でいる自分を発見する。その時、カラダの中に走り回る自分がいること、ドキドキしている自分がいることを発見する。
僕は赤ん坊の時から自分のカラダの外側に興味を持って生きてきた。今も生き続けている僕は、子供の頃からのイキテイル当事者であろうとしている。そして誰かが、そのドキドキを見つけてくれるのを待っている… それをもしかしたら人生とよぶのかもしれない。
イノチとは、僕の中側でいつまでもドキドキとしている僕自身のことなのではないだろうか。
植物も動物も一緒だ。カラダの中にイノチがある。
19歳で初めて松竹の映画に出演し、本作でついに本格的な“おばあちゃん”役デビューをさせてもらいました。最初は戸惑ったものの、孫役の3人から「おばあちゃん!」と慕ってもらって。
堤監督とも初めてご一緒させて頂きました。
いい状態で仕事できるよう常に配慮して下さるとても素敵な監督さんで、今回私は責任を感じる役どころでもあり、いろんな意味で皆さんに助けて頂いた現場になりました。
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