佐藤二朗×福田雄一対談!“ベタベタしない”関係だからこそ生まれる一切妥協のない作品

2018/06/01 07:00 配信

映画 インタビュー

長澤まさみ演じる短期記憶障害の女性と、山田孝之演じる一途な愛を貫く男を描いたラブストーリー「50回目のファーストキス」が、6月1日(金)に公開を迎える。

【写真を見る】佐藤二朗が「俺を何だと思ってるんだ!?」と福田雄一に怒るワケとは!?


本作のメガホンを取るのは福田雄一監督。「ラブストーリーなのに福田監督!?」と驚いた人も多いかもしれないが、福田組常連の佐藤二朗も出演する。

果たして、どんな作品が完成したのか、佐藤・福田監督の名タッグに対談インタビューを行い、作品の見どころを余すところなく語ってもらった。

――本作で、佐藤さんは短期記憶障害の女性・瑠衣の父親を演じています。福田監督が佐藤さんにオファーした理由は?

福田:この映画を撮ろうと思った時点で、父親役は二朗さんだと決めていました。もともとこの作品は、事故で脳に障害が残ってしまったという重い話。

原作の父親は娘をかわいがって心配しながらも、厳しい人として描かれているんですね。

でも映画の持ち味としては、重い話を描いているのにもかかわらず、悲壮感がないところが魅力だと思うんです。

そこを担ってもらうには、二朗さんが得意な“愛があるけど、ちょっと抜けている父親像”の方が悲壮感がないことに拍車をかけられるし、より愛せる父親になるんじゃないかなというのを期待して当て書きしました。

――監督の意図を聞いて、佐藤さんはどう思われましたか?

佐藤:福田さんのキャスティング意図は、今初めて聞きましたね。

この話ってかなり切ないじゃないですか。娘のためにある特定の1日を延々とやり直すのは正しいか正しくないかは分からない。だけど、それをやらなかった場合に娘は傷ついて泣いてしまう。

父親としてはそれが耐えられないからやらざるを得ないんですよね。

あの家族はとても過酷な状況にあるんだけど、それでも笑うし食べるし生きている。あくまでも娘の愛だけをずっと考えて演じていましたね。