佐藤二朗「悲壮感があまりない方が逆に泣けてくる」
――福田監督といえば、「コメディーの奇才」と評されることもある中で、いまこのタイミングでラブストーリーを撮ることの意味は?
福田:僕も山田孝之くんも、何か違う関係性で遊びたいっていう思いがあって。それは二朗さんもムロくんも同じで、「勇者ヨシヒコ」シリーズでお笑いをやってきた後に、次にわれわれが選択する題材がラブストーリーっていうのは、変な言い方ですけど面白いなって思ったんですよね。
今回の作品は挑戦ということでは全然ないし、“新しいもの”というカッコつけたものを探しているわけでもなくて。
毎回違うものを探していれば、その先に新しいものが見えてくると思っているんですよね。
実際に今回、現場で二朗さんの涙を見て「やべー」って思ったし、ムロくんの砂浜のシーンも「ムロくんのこんな顔見たことないな」と思ったし。
新鮮な喜びと楽しさがあって、それがいい刺激につながっていくと僕は思っているんです。
佐藤:僕は役者なので、福田の掌に乗ってワイワイ遊んでいる感じですけどね。今までの関係性でこのラブストーリーをやることは、決して奇をてらったものではない、っていう思いを福田が持っていたとは知らなかったけど。
でも福田組で俺が泣くなんて、確かに今までになかったことだし。今後どんな手を使ってくるか分からないけど、役者としては来た仕事をやるっていうことだけですよね。
――福田監督と福田組常連の役者さんはどんな関係性ですか?
福田:特に二朗さんは“福田組の常連”だとか、(ムロと)“風神雷神”だとか言われるんですけど、実はお互いにすごく緊張感がある関係なんですよ。
お互いがお互いに「今回つまんないって思われたくないな」って思っていると思うんですよね。
「初めまして」のキャストさんとお仕事した方がラクですよ(笑)。そりゃ二朗さんとムロくんがいない方が、断然ラクだよね。
佐藤:ははははははは!(爆笑)
福田:だって、初めての方は「福田さんの台本面白い~♪」って言ってくれるじゃないですか。でもやっぱり二朗さんとムロくんと仕事したいし、「前の台本の方が面白かったんじゃないの?」って言われたくない。
「明日から二朗さんクランクインですよ」、って聞くと楽しみな一方でちょっと緊張しますもんね。ちゃんと面白く演出できるかなって。
――プライベートでのお付き合いは?
福田:プライベートで二朗さんとご飯食べに行ったことなんて1回ですからね。
佐藤:そうだねぇ。1回しかないねぇ。
福田:普段からベタベタして飲み歩いていると、つまんなくても許しちゃうと思うんですよね。仲良しっていうことで妥協しちゃう。今の関係性だからこそ、現場で「あ~今回なんかつまんないな」って言える。
佐藤:これ冗談じゃなく、本当に「つまんない」って言いますからね!
だから僕も今の福田の話と全く同じことを思っていますよ。監督、役者と立場が違うだけ。いい緊張感を持っていますね。
福田:よく「ムロさんとは週1で飯食っているんでしょ?」って言われるけど、そんなことないですからね! 世間のイメージと実際の福田組は、かなりの誤解があると思います(笑)。
取材・文=横前さやか
2018年6月1日(金)より全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
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