Y とにかく今のスペインは中盤の顔触れが半端ないですから。フレン・ロペテギ監督のシステムでは、イスコとダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)がめちゃくちゃ点を取っている。だからこそ、前線でボールを収められるロドリゴの存在が大きくなってくるんです。
H そうなってくると、ロドリゴ以外のフォワード陣は誰に。
Y 2トップには絶対にせず、いざとなればイスコを真ん中に置いたゼロトップでも戦うことができるでしょう。
H お笑いで言えば、ここぞというときの江頭2:50さんみたいに場数を踏んでいて、サッカーなら最後にパワープレーでガチャガチャにしてくれる選手が一人いればいいと。ウチの相方は江頭さんのラインになりますから、江頭さんとワッキーの2人はいらない、となるわけですね。
Y あとはイスコ以上に代役が利かない、アンカーのセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)に不測の事態が発生した場合ですね。ブスケツが故障で不在だった3月の国際親善試合では、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン・ミュンヘン)がアンカーに入りましたけど、味方の攻撃が終わった瞬間に、相手に対してふたをする守備がどうしてもできなかった。中央の三角形、ブスケツと最終ラインのジェラール・ピケ(バルセロナ)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)が、どれだけベストのコンディションで試合に出られるか。
H ラモスが何かやらかすことも。結構カードを出されるし、相手としてはちょっとイライラさせようと狙ってくるかもしれない。
――神様のいたずらか。隣国のポルトガル代表と同じグループBに入り、6月15日の初戦で激突します。通算成績では、スペインが16勝13分6敗と大きく勝ち越していますが。
Y スペインの人たちは、実はポルトガルのことをめちゃくちゃ見下しているんですよ。あいつらは貧しいからって。食事もワインもまずいから嫌だと。僕から見れば、ほとんど変わらないんですけどね。サッカーでも同じで、ポルトガルリーグで強いのはポルト、ベンフィカ、スポルティング・リスボンの3強だけ。他はスペインに来れば、2部リーグにしかいられないと。代表チームとしても、ライバルとも思っていない。C・ロナウドのことは、もちろん誰もが認めていますけど。
H スペイン代表を10とすれば、今現在のポルトガル代表の実力はどれくらいになるのでしょうか。
Y 6.5くらいですかね。あくまでもロナウド次第ですけど。
H ユーロ2016のときもそうでしたけど、あれっ、決勝まで来ちゃったぞ、という感じでしたよね。
Y グループリーグも3引き分けの3位で、ぎりぎりで突破しましたからね。システムも「4-3-3」なのか、あるいは「4-2-3-1」にするのか、フェルナンド・サントス監督もかなり迷っていた。
H フランス代表との決勝戦も面白かったですよね。けがで退場したロナウドがベンチに戻ってきたと思ったら、タッチラインぎりぎりで選手たちに指示を出していて。
Y それでも、ユーロを取ったことによって勝負強さを身にまとったと思う。今回のヨーロッパ予選でも、最終節でスイス代表との直接対決に勝って、逆転でグループBを1位突破しましたから。チーム全体にみなぎる自信は、侮れない要素ではあると思いますね。それでもスペイン人は、どうせユーロだろうと。
H そう言うでしょうね(笑)。
Y お互いに何のタイトルも取れずに来たんですけど。ポルトガルはルイス・フィーゴの世代が期待され、スペインもラウル・ゴンザレスやフェルナンド・イエロがいたときから「無敵艦隊」と呼ばれながら、行ってもベスト8止まりだった。
H 本当に不思議でしたよね。
Y スペインが先にブレークして、ポルトガルとしてはものすごい劣等感を抱いていたはずですけど。
H それでも、ポルトガルの選手たちは、スペインリーグでのプレーを目指す形になるんでしょうけどね。
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