――劇中では、高梨が以前飼っていたオカメインコが死んだ話をするシーンが印象的でした。
僕も似たような思い出があるんです。小学校6年生の時に、猫を拾って飼い始めたんですけど、すぐ死んでしまって。その時、すごく悲しかったんです。だから、高梨が語るオカメインコのエピソードは共感できる部分でした。
――柾木さんは人見知りだというお話でしたが、人との距離感が近い高梨のコミュニケーションについてはどう思いましたか?
単純にうらやましいなと思いました。あんなに仲良くしゃべることはできませんから(笑)。自分とは正反対ですね。
――今回の作品に参加したことで、何か変わった部分はありますか?
劇中では、泣いたり悲しんだり、笑ったり。自分のセリフで、ある女の子の気持ちを引き出すなど、演じたキャラクターがキーとなることが多かったんです。
だからこそ、いつも以上に台本と向き合う時間が長かったですし、一つ一つのシーンを丁寧にという意識が強かった。これからも、今回と同じような気持ちでしっかりと演じていきたいなと思っています。
――「死」に対する考え方は変わりましたか?
これまでは、あまり考えたことがなかったんですけど、あらためていつかは来るものなんだなと思うようになりました。それをどう受け止めるのか。どんな形で残される人たちにつないでいくのか。作品を通して学んだような気がします。
――“ゆずりは”は、一年を通じて緑の葉を絶やさない常緑樹。若葉が育つのを見届けて古い葉が落ちていきます。その様子は、親から子、子から孫へと受け継がれる命のバトンのようですが、今回共演した先輩の俳優さんから学んだことはありますか?
僕にとっては、皆さん大先輩ですから。一つ一つのセリフが心に響きました。
今の僕にはどう頑張ってもできないこと。この先、いつまで俳優をやれるかは分かりませんけど、僕も年齢を重ねていきながら皆さんのように重いセリフを言えるようになれたらいいなと思いました。
――高梨が葬儀会社に入社する際、面接で自身の長所と短所を語るシーンがありましたけど、柾木さんの長所と短所は?
短所は、すぐ言えます(笑)。これは、長所でもあるかもしれませんけど、一つのことに集中すると、他のことがおそろかになってしまいます。
それだけ、のめり込んでいるということなんですけど、物をよく失くしたり、忘れ物が多くなるという弊害がありますね(笑)。
長所は…、これも短所でもあるかもしれませんが、中途半端なことができないんです。自分の中に、0か100しかない。テンションを上げようと思ったら100になっちゃうし、下げようと思ったら0に。ちょうどいい具合にならないんです。極端過ぎますよね(笑)。
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