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売れなくても辞めなかった理由とは? いとうあさこ自叙伝発売インタビュー【後編】

2010/06/20 15:08

「常に“人”運がある気がしますね」と語るいとうは、南原清隆ら先輩芸人との心温まるエピソードも披露
「常に“人”運がある気がしますね」と語るいとうは、南原清隆ら先輩芸人との心温まるエピソードも披露

いとうあさこ初の自叙伝「あさこ、40歳。」インタビュー後編は、本作では書ききれなかったという、悩んだ時代を支えてくれた先輩芸人とのエピソード、40代となったこれからの目標を聞いた。

――ミュージカルに打ち込んでいた時代、「ネギねこ調査隊」を経てピン芸人になり、“浅倉南”ネタが誕生するまでの間、いとうさんを支えたものは?

コンビ解散後は落ち込んだし焦りもしたけど、辞めるというより「ピンでどんなネタしよう?」っていう悩みが強かったんです。あと、ちょっとずつ「売れるかな?」っていう時期があったから。「R-1ぐらんぷり」の準決勝まで行ったり、「エンタの神様」では、わたしが出た時間の視聴率が上がるから頑張ってって言われたり。「売れるかな?」って思ったらしばらくするとまた駄目で…そんな繰り返しでした。ライブに出たらウケたりしてたので、それが支えだったのかもしれないですね。

――そんな時期に事務所の先輩のウッチャンナンチャンさんと接したことや学んだことはありましたか?

ウンナンさんは、レベルが違い過ぎてほとんど会ったことがなかったんです。一度、南原(清隆)さんの舞台をチケットを買って見に行かせてもらったら、その時に会わせていただけて。本当に面白くて勉強になったので切々と伝えたら、南原さんが当時なさっていた“現代狂言”の練習に「よかったら顔出しなよ」って言ってくださって。それがきっかけで南原さんの周りを頻繁にウロチョロしだしたんです。けいこ終わりにみんなでお酒を飲みに行く時も一緒に行かせてもらって。すると、そこでも衝撃がいっぱいあったんです。一番大きかったのは南原さんと狂言師の方との「なんで後輩が自分から来ないんだろう」っていう話。「来たら教えてあげるのに、なんで(こちらから行かないと)来ないんだ」って。確かに自分の周りをウロチョロしてくれる後輩は仲良くなるけど、わたしからは行かないなって。南原さんと自分の関係もそれと同じことなんだって。先輩と触れたら、すぐこんなことが勉強できる。38歳になっても勉強できるなんて、なんて恵まれてるんだろうって思いました。

――ほかの事務所の芸人さんでは?

芸人根性みたいなものを教えてくださったカンニングのお2人にもお世話になりました。中島(忠幸)さんはまだ売れてなくて、めっちゃバイトしてるころだったのに、わたしの家で「ギョーザパーティーするぞ」ってギョーザの材料とホットプレート、それに「和牛の特選だぞ」って、全部買ってきてやってくださって…。竹山(隆範)さんも家に呼んでくれて、鍋や酒をごちそうしてくださって。すごい兄さんだなって。そのイズムは引きずっています。だから、なんで(同じ事務所で)こんなにも教えてくれる先輩の南原さんを忘れてたんだろう…大事なのはそこなんだ、行くだけ行ってみればいいんじゃないかと、そう思うようになったんです。

そう考えると辞めなかったのは、“辞める”よりも、魅力的な世界だったからっていうのはあるかもしれない。わたしは常に“人”運がある気がしますね。

――40歳になった感想は? また、どんな40代にしたいですか?

誕生日に自分で企画したライブをやったんですが、「40」って書いた大きな紙から(松田)聖子ちゃんの「Precious Heart」に合わせてパリン! って飛び出して、40の壁を越えました! っていうのを最初にやったんですね。破って出たらお客さんが「おめでとう!」って…泣きそうになったんです。突き抜けたというのを、実際に形でやってみたら気持ち良かった。これから40歳になるのが怖い方がいたらお勧めします。わたしが作ったのはサイズが200cm×180cm。障子紙を2枚はがれやすいのりで貼って、2枚の手前の方だけ十字に切っといて、そのセンターに指先から入るとすごくいいですよ。曲は聖子ちゃんの「Precious Heart」で! 40代の目標は健康でいたいというだけ。何にもないところで転ぶ率も増えていってますから、危ないです。あと、40歳の誕生日を華やかにし過ぎたので、41歳の誕生日で30歳を迎えた時のように、泣きながら赤ワインを飲むっていうことがないように。毎年毎年が楽しいといいんですけどね。でもそれも考え方1つですから。わたしはある状況で悩んだときに、自分の中の優先順位をつけるのが上手なんです。恋愛もそうですよね。“楽しい”を優先したら、“1200万円払う”という、人から見たらマイナスでも、自分にとってはどうでもいいというか、そういうことなんです。

なお、本作の発売を記念して、6月21日(月)に、東京・新宿でサイン会を開催。7月7日(水)には「はなまるマーケット」(TBS系)内の「はなまるカフェ」コーナーに出演する。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

「あさこ 40歳。〜私、生きてる!〜」
発売中 1575円(税込) 講談社


「あさこ 40歳。〜私、生きてる!〜」刊行記念 いとうあさこサイン会
6月21日(月)夜6:30-
東京 福家書店 新宿サブナード店
http://www.fukuya-shoten.jp/event/#2943

「はなまるマーケット」
毎週月〜土朝8:30-9:55 TBS系で放送中
※いとうは7月7日(水)の「はなまるカフェ」に出演

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