毎日放送などで7月7日(水)からドラマ「MM9(エム・エム・ナイン)」がスタート。総監督は映画「日本沈没」('06年)や、「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」('08年)で知られる樋口真嗣。主演は石橋杏奈と尾野真千子の2人が務める。
本作は山本弘原作の同名小説をドラマ化。特異生物=M(モンスター)が出現する世界で“M”の出現を予報・分析や周辺地域への警報発令することを職務とし、日夜働いている気象庁/特異生物部/対策課、通称・気特対(きとくたい)のメンバーの物語で、原作には登場しない役を作る事でより人間関係のリアルさにスポットを当てた内容になっている。
今回で初のテレビ作品を手掛けた樋口監督は、「映画ではできないような作品を作りたかった。物語よりもキャラクターを描ける土壌として、ドラマがいいのではないかと思った。また“MM9”のようなスケールの大きい作品を、どうテレビドラマに落とし込むかというのが冒険で面白い」と新境地での意気込みを語った。
気特対・機動班に新人として加わる藤澤さくらを演じる石橋は「とにかく明るく元気なキャラクターなので、メークさんと相談しながら外見を明るくしました。自分は普段キャピキャピしていなかったので、明るさを常に保つのは難しかったです」と、役とのギャップに戸惑いがあったよう。一方、さくらの指導係を務める朏万里(みかづきまり)役の尾野は「見た目は“銀座のママ”的な感じです(笑)。しっかりしたお姉さんで、仕事が好き。自分そのままだったので役に入りやすかったです」と対照的な様子。しかし、“モンスターが出現する世界”での演技については、「CGを使うということは、(撮影で)目の前にそのものがいないので、どう演じたらいいのか全く分からない。だから監督に『どういうこと!? どういうこと!?』って内容を詰めていきました。毎日が監督との戦いでしたね(笑)」と、CG作品ならではの苦労話を明かした。
また、本作は高橋一生や皆川猿時、加藤貴子、松重豊らが演じる個性的なキャラクターも見どころ。「W主演だけど、出てくるメンバー全員が主役でもあり、いろいろな物語がある」(尾野)、「個性が強いキャラクターが多くて人間関係がリアルに出ているのでそこが面白いです」(石橋)と、単なるSFドラマにとどまらない魅力をそれぞれ語った。
「登場人物をよりリアルに」を心掛けたという樋口監督は、「仕事が忙しいと感じる“みんなと同じ当たり前の世界”と、Mが出てくる“そうじゃない世界”が混同している面白さ。でもみんなMよりも普段の世界の方が大事で、みんなそれぞれ生きている、というギャップがある世界を楽しんでいただけたら…。“深夜ドラマ”ということを忘れてやり過ぎてしまった。かなり密度の濃い作品になっています」と熱い思いを最後まで語った。
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