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倉持裕脚本の広末涼子出演コントは「オンエアーで完成形が見える、映像でしかできない表現」<脚本家たちのLIFE!>

2018/07/14 11:00

「LIFE!」で脚本を担当している倉持裕
「LIFE!」で脚本を担当している倉持裕

発想の大本となるネタを一週間に3個出すって、神技だと思いますよ


――「LIFE!」のネタを決める会議は、総合演出の西川毅さんを含めて脚本家の皆さんで週に1回ほど行っているそうですね。正直、ネタを毎週出すということは大変ではないんですか?

僕は「LIFE!」の作家の内村さん、平松さん、あないくんを尊敬しますね。彼らはこの番組だけではなく、他でもネタを出していたりするんですよ。僕みたいに「舞台があるから」って言って休んだりもしないし、本当に毎週、最低でも3個はネタを出しているから尊敬しますし、悔しくて仕方がないです。発想の大本となるネタを一週間に3個出すって、神技だと思いますよ。

2時間の舞台を作ることになったら、1個の発想さえあれば書いていくことはそんなに苦しい作業じゃないんです。だから、その着想を得ることに何カ月もかけていくことがあるんですけど、コントの世界ではその1番苦しい“着想を得る”という部分を、毎週たくさん出すんですよね。僕はなかなか思いつかなくて、他の作家の方々に必死で食らいついています。

ネタ帳を持って、思いついたら書くようにはしています。

――「書こう」と決めて書くことはしないんですね。

一日に思いつくことって決まっていて、「書こう!」と決めて丸一日費やして何かを考えても、大した個数は出てこないと思うんです。

だから、毎日常に何かを面白い目線で見るようにするようにしています。面白いことが起きたり、面白い話が聞けたりするなんてそうそうあることではないので、真面目な出来事を面白く変換できる目線を持って生きていかないと無理かなと思っています。

例えば、夜中に住宅街を歩いているときに「やったー! パチパチパチ」って家族の笑い声が聞こえてきたとしたら、そこで何が起きたんだろうと考えるんです。サッカーの試合を見ていて点が入ったとかだったら面白くないし、じゃあどうだったら面白いかなとか。その場では面白いことが思いつかないので、ちょっと「一軒家から歓声」っていうメモをしておいて、家でいろいろ考えてみるっていう作り方をしています。

――先ほど代表作として挙げていた「カッツ・アイ」や「宇宙人総理」はどのように作っていったんですか?

「カッツ・アイ」は、西田(尚美)さん、臼田(あさ美)さん、石橋(杏奈)さんの3人でやるネタを考えていたんです。それで、3人の女性といえば、「キャッツ・アイ」が浮かんできて、もじったら「カッツ・アイ」になり、あ、割愛って使えるかもと思ったのがきっかけです。

それで、あのなんでも大事なところを割愛してしまう3人になりました。あとは、個人的に女優さんにレオタードを着てほしいなと思った部分もあります(笑)。

衣装合わせのときに、皆さんちょっと抵抗はあったみたいなんですけど、着てほしかったので、僕と西川さんで何とか説得しました(笑)。まぁ本当にきれいだったので本心でもあるんですけど、その時は全力でほめました。

それだけ無理言ってやってもらったことが、うまくいったということがうれしかったですね。3人も、自信を持ってだんだん恥ずかしがらなくなってきて、堂々としてましたよ。

「宇宙人総理」は、みんなでとにかく“キャラ”を作ろうということを話し合って生まれました。国会中継で、野党がくだらない質問を投げかけてそれを大人たちが真面目に議論している様子をやっていたら面白いなと思ったことから考えていきましたね。

僕は、いまだにキャラの作り方が分かっていないので、最近はキャラのネタはあまり担当していないんです。

――ボツになったネタの中で、印象的なものを教えていただけないでしょうか?

覚えているもの…いっぱいありますけどね。映画から発想したネタでボツになったものがいくつかありますね。映画「シンプル・プラン」(1998年)から発想した、1億円を拾った夫婦の話とかもありました。あとは、飛行機の羽の上でくつろいでいる、空飛ぶ一家というものもあって、それは「トワイライト・ゾーン/超次元の体験」(1983年)から。でもジャンボジェットの羽を作ったりしてセットにお金がかかるからっていうことでボツになりましたね。

――最後に、「LIFE!」の魅力を教えてください。

これだけ丁寧に真正面からコントを作っている番組って、今では他にはないと思うので、貴重ですよね。

芸人と俳優がどちらに偏ることもなく、バランスがいいなと感じます。ネタも芝居だけに偏ることはなく、かといってアドリブの応酬になるような即興コントにもなっていないので。6年もやっているから、そこがいい塩梅になってきているんだろうなと思います。

それに番組の特色を決めずに、果敢に挑戦していることもすごいなと思います。視聴者を作り手が選ぶようなことをせずに、間口が広いということも魅力ではないでしょうか。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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「LIFE!~人生に捧げるコント~」
7月13日(金)夜10:00-10:45
NHK総合で放送

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  • 「LIFE!」で脚本を担当している倉持裕
  • 【写真を見る】手を取り合う広末涼子とムロツヨシ
  • 内村光良と池谷のぶえの老夫婦を絶賛!
  • 一週間にネタを3本出すことは「神技」
  • 舞台、コント、ドラマなど幅広い作品で活躍している

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