高見沢俊彦処女小説を語る「こんな面白い表現方法があることに気付いた」

2018/07/28 17:00 配信

音楽

THE ALFEEの高見沢俊彦が、デビュー小説「音叉」を発表。1970年代の東京を舞台に、バンドでプロデビューを目指す若者たちを描いた青春群像で、7月13日に書籍が発売されると一週間で重版が決まり話題を呼んでいる。

小説家デビュー、久々のソロシングルのリリース、45周年イヤーを迎えたTHE ALFEEの活動…と多忙な合間を縫って、執筆エピソードや作品への思いを聞いた。

音楽活動45年のベテランアーティストが描く処女小説はプロデビューを目指すバンドの青春群像

――小説家デビュー!と聞いて驚きました。経緯を教えていただけますか?

自分でも想定外でした(笑)。高校時代はひそかに作家に憧れてもいて、書きたいと思ってはいたけれど、どうやって書けばいいのか分からなくて、毎回途中で止まってしまう。テーマを与えられて書く作文は得意だけど、自分で創作して物語を構成していく能力はないと諦めていたんですよね。

それが「オール讀物」に寄稿したエッセイがきっかけで、小説を書いてみませんかというオファーを受けまして。ここで書かなかったら、僕は一生書かないかもしれない、そこで書くという意志を表明したわけです。

――どう書けばいいのか分からない、という不安は解消されたんですか?

連載には締切があるので、そこに向かって物語を構築していけばいい…これって音楽と一緒だなと思ったんです。曲作りに締切がなければ僕は一生レコーディングしているでしょうから(笑)。

編集の方に聞くと、著名な作家の方々もプロット(物語の筋書き)を綿密に作る方、アバウトな方、何にも考えないで書き出す方…バラエティーに富んでいて、小説の書き方に一つの法則はないんだと分かった。そういうところも音楽に近いなと気付いて、楽になりましたね。

――テーマはどのように決まったのですか?

自分でいくつか書き出していたんですが、編集の方から「45年続けてきている音楽というバックボーンを突き詰めるのも面白いんじゃないですか?」というアドバイスがあったんです。

ただ、僕はミュージシャンなので、読者の方が物語の中に僕を投影してしまうことだけはどうしても避けたかった。これが戦国武将の話だとしたら全く投影しないと思うけど、それは唐突でしょ?(笑) 分かりやすく入っていける音楽をテーマに自分とは真逆な人間像、バンド像を作り上げる。そこから具体的に70年代をメインにデビューを目指す若者たちの青春群像を書き始めていったんです。

――初の小説を書き進めるにあたって意識されたことは?

ミュージシャンなので文章にリズム感を持たせて読みやすくしたいと心掛けました。本を読まなくなった人が多いと聞くと、それも悲しいですから。本を読んでもらいたいですからね。

――主人公の大学生・雅彦やバンドメンバー、魅力的な女性たち…ドラマのように映像が思い浮かびました。特定の人物をイメージして書かれたりしたのですか?

ぜひ映像化してもらいたいです(笑)。特にイメージした人はいなくて、書いているうちに登場人物たちが動き出していった感じですね。僕ら(THE ALFEE)は大学時代、小説の登場人物のようにバンドについて真剣にミーティングしたことはなかったですからね(笑)。

集まったらマージャンしかしてなかったんじゃないかな? 時々は「練習しようか? たまには」みたいな。小説の中とは違って、真剣に人生を語り合うような友達はいませんでしたね(笑)。

――当時のファッションがリアルに描かれていたのでモデルがいるのかと思いました。

気を付けていたのは、キャラクターの棲み分けとディテールにこだわること。具体的には登場人物にイメージする色を付けて書き分けたんです。雅彦が青だとしたら、啓太は緑、義之は赤。さらに、雅彦のバックボーンにある家庭を青より濃い群青色だとすると父親はどんな職業がいいかな…というように。女性の登場人物でいうとイメージの参考になった、ちょっと憧れていた年上の方とかはいましたね(笑)。

ただ、大学時代の僕は大人しい人間でしたから、年上の女性と口をきいたことはあんまりなかったですけど(笑)。

――自分の意見をはっきり言う女性が出てきますね。女性からの指摘には納得するのに、同じことを男友達に言われるとムカつく雅彦の姿が印象的でした(笑)。

好きな女性に言われるうちはいいけど、男友達に言われると正論であっても言い返したくなる。そういう習性が男性にはあるのかな…って僕だけかもしれないけど(笑)。

あの時代は学園闘争にどっぷり浸かっている女性もいましたけど、「an・an」や「non-no」っていう女性ファッション誌も創刊されていて、まぶしいくらいにカラフルな女性たちも多かった。話していることは大人っぽいし、僕が足を踏み入れるのに躊躇するような店にも躊躇せずに入って行ったりとか…僕が特別臆病だったのかもしれないけど、女性の方が進んでいるなって憧れていましたね。

そういう当時の男子学生の最大公約数的な要素を一人にまとめたのが主人公の風間雅彦。まぁ、彼よりは僕の方がもう少しちゃんとしていました。そこは断言しておきます(笑)。

――今お話にも出ましたが、学生運動や1974年の三菱重工ビル爆破事件など、主人公の周りで実際に起きたことにも触れられています。

同級生の中にも学生運動をやっている人はいましたが、それは一部であって、この小説の要点はノンポリな学生の最大公約数を集約した風間雅彦を主人公にしたこと。丸の内の三菱重工ビルで事件が起きたのは、銀座の山野楽器で僕らTHE ALFEEのデビュー発表会があった5日後だったんですよね。

これから頑張っていこう!という時だったので衝撃でした。音楽を主体にはしていますが、僕が描きたかったのは青春群像なんですよね。華やかな一方で事件も起きていた、カラフルさと危険が背中合わせの街・東京を舞台にした恋愛や青春。ネットがない時代ではあったけど、人間関係は今より密だったような気もします。今となっては僕もネット依存症ですが(笑)。

高見沢作家デビューに桜井・坂崎は「いつか書くと思っていた」 (2/2)

■髙見澤俊彦 デビュー小説「音叉」(文藝春秋刊)
【通常版】 四六版上製
7月13日発売 本体価格:1700円(税別)
【愛蔵版】 四六版上製函入り スペシャルブックレット(髙見澤俊彦ロングインタビュー、撮り下ろし写真など収録)付き
7月25日発売 本体価格:7200円(税別)※数量限定生産
※8月18日(土)、東京都内でサイン会開催予定。「音叉」帯についている応募券が必要。抽選で200名様を招待。応募締切は年8月3日(金)消印有効

■Takamiyニューシングル
「薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles」
M-1 薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles
M-2 恋愛 Gigolo
【初回限定盤 A 】価格:1,188円(税込)
M-3 霧に消えたロゼレア
【初回限定盤 B 】価格:1,188円(税込)
M-3 哀愁トゥナイト
【初回限定盤 C 】 価格:1,188円(税込)
M-3 太陽はもう輝かない
【通常盤】 価格:1,080円(税込)
M-3 薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles(Original Instrumental)
いずれも2018年7月25日発売

■Takamiy ソロライブ
「Takamiy 2018 Metal of Renaissance」
2018年9月1日(土)  開場17:00/開演18:00
2018年9月2日(日)  開場16:00/開演17:00
会場:神奈川県・パシフィコ横浜国立大ホール

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