割とライトにさらっと“音源解禁”されたのとは裏腹に、このストーリーが出来上がるまでには大きな課題があったようだ。
実際山田Pも「2話は前半で一番エネルギーを使いました」と苦笑交じりに振り返る。
「音楽がモチーフになっているんですが、そもそも(2話担当)作家の渡辺雄介さんから『エンディングノートの話がやりたい』と言われまして。
僕は面白いと思ったのでいろいろと詰めていって、1回目の脚本が上がってきたんですけど、思った以上に音楽が中心の話だったんですよね。それを読んだとき、僕は『やばい…、一歩間違えれば失敗する』と思ったんですよね」と率直に吐露する。
要するに、台本の段階では「いい音楽」と書かれていたらそれはその時点でいい音楽なのだが、映像になれば当然その音楽なしには物語が始まらない。
それもあって「主役が好きだという音楽のクオリティーが中途半端だったら大惨事になる、と。これはとんでもない本を上げてきたなと(笑)。そこからすぐに脚本の渡辺さんと劇中の音楽を担当している岩崎太整さんの3人で、夜中に緊急集合しまして話し合いました」
ストーリーを完成される前の段階として、劇中音楽との向き合いに時間が割かれたようだ。
「こういう音楽とかこういうテイストにして、こういう話の持ち運びにしないと絶対にダサいものになるし、音楽もいいものにはならない』と、音楽家としての観点で岩崎くんに言ってもらったので、話も少し組み替えました。そして音楽もゼロから自分たちで作りましょうと。
そこで、僕はコムアイさんが演じて歌うという設定だったら、今までなかったし、クオリティーは脚本を超えられるんじゃないかと思いつきました。
それが実現しなかったら、この話はなかったかもしれません。コムアイさんに快諾いただきまして、曲が完成し、レコーディングもしてここに至ったということです」と、“お蔵入り”も辞さない構えで音楽を作り上げてきたことを告白した。
豪華ゲストが毎話登場するということや、W主演の二人が当て書きされたことばかり話題になっているが、コムアイこそ第2話になくてはならない究極の“当てキャスティング”だったようだ。
作詞・作曲は岩崎氏が担当し、歌詞は全編英語で「dele」というテーマを暗示しているものに完成。結果、ネット上でもオンエア後には「音源化してほしい!」「あのCD買うわ」といった声があふれるなど、大きなチャレンジを成功させた。
さらに、今だからこその裏話として「実は7月の下旬からその曲をYouTubeに上げていました。もちろん誰も知らないから、放送までは関係者しか見ていませんでしたけどね」ということも教えてくれた。
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