――今大会と相性の良い錦織選手が注目されています。
最近ではシティオープン(錦織選手は「ATP500 ワシントンD.C.2018」でベスト8に進出)が一番良かったですね。試合終わる前にメールしてしまったほど興奮した(笑)。
何が一番良かったのかと言うと、気持ちが戻ってきましたね。「なんとしてでも勝ちたい」という強い思いの圭に戻りつつある。あのガッツポーズの作り方は、ここ最近ではなかったし、「全米オープンを絶対に獲る」という決意表明にも感じました。
ただ、試合を見ていると打ったボールが全部コートのだいぶ内側に入っていたんですよ。これは全米オープンまでにライン際になるように修正してくると思うので、そうなれば誰も怖くないと思います。
――フェデラーやナダルら上位陣も混戦状態ですよね。
僕も予想ができないです。フェデラーやナダルが心底「勝ちたい」と思っている時って、本来のテニスよりずれたとしても、王者としてのポイントの取り方を知っているんですよ。圭はその勝ち方をまだ知らない。だから早く知ってほしいですね。それを知った時に自信が生まれて、まったく違うレベルのテニスができ始めると思います。
――大坂選手はいかがですか?
今回取材で会ってきたんですよ。僕は…好きです。
――(笑)。どういうところが?
彼女の魅力は“考えないこと”。あれだけいいテニスをしていたインディアンウェルズ2018(大坂選手が優勝)でも、彼女は「相手があまり良くなかったから」って言うんですよ。「いや、あなたが調子いいから相手は不調に終わったんじゃないの?」って質問するんだけど、「そうかな?」って返してきました。
テニスは自分だけでなく、相手があってこそのスポーツ。相手の調子の良しあしもあるということを理解し、相手がいい時だろうと良くない時であろうと、自分のテニスをしていけばいい。いま、女子テニスは誰が勝つか分かりませんが、彼女の才能とプレースタイルなら優勝する可能性はあるでしょうね。
――大坂選手が気を付けるべき点は?
僕は「ナオミキャンドル」と名付けましたが、彼女の心の炎が燃えている時は相手が世界一だろうが100%勝ちます。ただ炎が消えた時点で彼女は別人になる…ランキング1000位の人にも負けてしまうこともある。でも、「燃え続けることが大事」というのは、大坂選手も分かっているはずなので期待したいです。
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