「西郷どん」プロデューサーが語る“革命編”の見どころ【テレビの開拓者たち・櫻井賢】
大友啓史監督に出会ったことは大きかったですね
──それでは、これまでの経歴についてお伺いします。櫻井さんは、ドラマ部に配属される以前はどんなお仕事を?
「初任地は京都ですね。当時はいろいろやりましたよ。『おかあさんといっしょ』(1959年~NHK Eテレ)とか、『NHKのど自慢』(1946年~NHK総合ほか)とか。他にも、自分で企画を立てて、15分間のドキュメンタリー番組を作ったりもしました。それからドラマ部に移って、朝ドラ(連続テレビ小説)の『私の青空』(2000年NHK総合ほか)で、一番下の助監督をやって。大河ドラマの『北条時宗』(2001年NHK総合ほか)もやりました。
地方局時代は、自分で企画・制作した番組を全国に放送できるという手応えを感じていたんですが、東京では大先輩の下で働くピラミッド社会で(笑)。そこで大友啓史監督に出会ったことは大きかったですね」
――大友啓史さんは、NHK在籍時に土曜ドラマ「ハゲタカ」(2007年NHK総合)や、大河ドラマ「龍馬伝」(2010年NHK総合ほか)の演出を務め、その後映画監督として独立されて、「るろうに剣心」シリーズ(2012年ほか)などを手掛けています。
「大友さんは、われわれ助監督に現場を仕切らせるんですよ。まるで自分が演出しているような気にさせられるし、勉強にもなりました。『ちゅらさん3』(2004年NHK総合)や『もっと恋セヨ乙女』(2004年NHK総合)のころですね」
──その後、大阪局に移られて、「芋たこなんきん」(2006~2007年NHK総合ほか)や「だんだん」(2008~2009年NHK総合ほか)などの連続テレビ小説や、「ジャッジ~島の裁判官奮闘記~」(2007年NHK総合)といったドラマの演出を務めるように。
「大阪に行って演出をやるようになってからは、『こいつにチーフでもやらせようか』と思ってもらえるように頑張ってました。そこから大河ドラマの『江~姫たちの戦国~』(2011年NHK総合ほか)で屋敷陽太郎のサブに付いたのが、初めての制作統括の仕事でした。大阪に行ったことで、巡り合わせが良くなったのかなと思いますね」