2018年9月5日から、東京・品川で上演される舞台『NINJA ZONE』は、日本文化とポップカルチャーが融合したまったく新しいエンターテイメント作品だ。今作は映画監督、プロデューサー、スタントマンとしてワールドワイドに活躍する坂本浩一が長い海外経験を元に構築した“外国人が見たい日本アクション演劇”で、忍者、サムライ、アクション、殺陣、ダンス、アイドルなど、さまざまな要素をスピード感たっぷりにお届けする。
舞台は、過去でも未来でもない架空の街「華舞綺TOWN(タウン)」。犯罪者たちが棲みつく、治安という概念が崩壊した治外法権エリア。街の中で人々が唯一安らげる場所は娯楽施設「竜宮館〈DRAGON INN〉」だったが、街は強大な悪の組織「徳川組」によって仕切られていた。徳川組2代目組長・徳川秀忠は、父の家康を毒殺し、自分の息子である竹千代を追放。さらに”伊賀流YAKUZA-NINJA六人衆BURAIKANN”を招集し、竜宮館を排除しようと動き出す。しかし、この竜宮館に出演する5人組のパフォーマンスグループ“BLASTING GIRLS”は実は甲賀流のくノ一で、伊賀流の“BURAIKANN”と激しくぶつかり合うことに。
父・秀忠から追放された竹千代を我が子のように守り育てる乳母・福(ふく)を演じるのは、舞台、TVドラマにバラエティ番組など多数の芸歴を持ち、「あすまい」では歌やコント・漫才にも挑戦している高橋明日香。NINJAとKUNOICHIの戦いの中で翻弄される役を、どのように演じるのか話を聞いた。
──高橋さんの演じる福は、竹千代の乳母という設定ですが、イメージ的にはそのままお母さんですね。
台本を読んだところでは、元気で明るいお母ちゃんという印象ですね。厳しい環境の中でも、ずっと笑顔で強くたくましく生きてきたんだろうなっていうのを強く感じました。
──こうしてお会いしても、高橋さんはそういう優しい笑顔の似合う方だと感じています。
ありがとうございます(笑)。顔が幼いので、普段はあまり母親役というのはやらないんですけれど、竹千代役の榎本遥菜さんとお会いしたところ、めっちゃ可愛い子だったので。お話してみて、自然と愛情を注げそうだなと思いました。
──『NINJA ZONE』はNINJA同士の戦いが軸になる舞台ですけれど、その中で一般人として戦いの間で翻弄される役ですね。高橋さんは、どういった形でお話の中に入っていかれるんでしょうか。
ストーリーに関わらないポジションかなと思ったんですけれど、台本を読んでみたら意外と大事な役どころなんです。NINJAの人たちは、みんな戦って踊って歌って、すごく華やかになると思うんですが、きらびやかな部分はお任せで。私はその中で、お話を支えつつ、人間らしく右往左往できたらいいなと。
──アクションに参加しないけれど、他のキャラクターとの絡みは多くなりそうですね。
お話の進行部分に関わっているので、どう支えていけばいいのか考えているところです。みんなの心情面をちゃんと動かしていければいいなと思いますね。
──その衣装のイメージはいかがですか。
設定ではもっと全体に茶色いのかと思ったんですけれど、カラフルでファッショナブルになっていて意外でした。身の回りのものを何でも使って生きてきたんだろうって感じられますね。
──そういう部分にもキャラクター性が反映されているんですね。
そういう人らしく、どしんと構えてやっていきたいと思います(笑)。
──いままでのお仕事と比べて、この役の立場というのはいかがでしょう。
5~6年前ぐらいは、アイドルたちの中に混じって歌って踊っていたんですけれど、私も年齢的にそういう役回りになってきたんだなあって、ひしひしと感じています。『NINJA ZONE』って聞いて、もしかして私もアクションがあるんじゃないかと内心ビクビクしていたんですけれど、ホッとしました(笑)。
──アクションもやってみたかったなんて気持ちはありませんか(笑)。
きっと実際に見たら、カッコよくてやってみたくなると思うんですけど、体力的についていけないんじゃないかって(笑)。
──では、今回の舞台全体に対しての意気込みなどお聞かせください。
キャストは初めましての人ばかりで、第一線で活躍されている方も多いので、その中で足を引っ張らないようにしたいです。それと、脚本・演出の石山英憲さんとは何度かご一緒してとてもお世話になっていて、その世界観が大好きなんです。馬鹿馬鹿しいことも全力でやるといったところもあるので、コメディ路線も頑張りたいですね。男性キャスト、女性キャストそれぞれだけのきらびやかな舞台はけっこうありますけれど、『NINJA ZONE』は男女入り混じったエンターテイメントということで、お客さんも男女年齢問わず楽しめる舞台になると期待しています。楽しみにしていただきたいです。
インタビュー/清水拓
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