驚異の12歳・榎本遥菜が世界的アクション監督・坂本浩一の舞台に挑む【舞台「NINJA ZONE」特集】

2018年9月5日より、東京・六行会ホールで上演される舞台『NINJA ZONE』は、日本文化とポップカルチャーが融合したまったく新しいエンターテイメント作品だ。今作は映画監督、プロデューサー、スタントマンとしてワールドワイドに活躍する坂本浩一が長い海外経験を元に構築した“外国人が見たい日本アクション演劇”で、忍者、サムライ、アクション、殺陣、ダンス、アイドルなど、さまざまな要素をスピード感たっぷりにお届けする。

舞台は、過去でも未来でもない架空の街「華舞綺TOWN（カブキタウン）」。犯罪者たちが棲みつく、治安という概念が崩壊した治外法権エリア。街の中で人々が唯一安らげる場所は娯楽施設「竜宮館〈DRAGON INN〉」だけだったが、街は強大な悪の組織「徳川組」によって仕切られていた。徳川組2代目組長・徳川秀忠は、父の家康を毒殺し、自分の息子である竹千代を追放。さらに”伊賀流YAKUZA-NINJA六人衆BURAIKANN”を招集し、竜宮館を排除しようと動き出す。しかし、この竜宮館に出演する5人組のパフォーマンスグループ“BLASTING GIRLS”は、実は甲賀流のくノ一で、伊賀流の“BURAIKANN”と激しくぶつかり合うことに。

その一方、秀忠の父・家康に溺愛された竹千代を嫌う秀忠は、部下に竹千代の暗殺命令を下す。しかし、竹千代を思う家臣たちが秘密裏に竹千代を逃がし、ひっそりと身を隠して生きているのだった。そんな竹千代を演じるのは、榎本遥菜。坂本浩一監督が主催するアクション教室に通いながら、フラメンコダンサーとしても活躍する、驚異の12歳だ。

――『NINJA ZONE』について、最初にお話を聞いたときの印象は？

戦いが繰り広げられる世界観でかっこいいなって思いました。

――フラメンコはフラメンコダンサーのお母さんの元で小さい頃から習っているということですが、アクションはどんなきっかけで始めたのですか？

お父さんが空手経験者で、よくおうちで私と戦ってるんです（笑）。それで「もっとやってみたい！」と言ったら、坂本監督のレッスン教室を見つけてくれたんです。あと、アニメの「名探偵コナン」の蘭ちゃんの蹴りが大好きで、よくまねしていて。それもアクションをしたいって思ったきっかけです。

――そこでお芝居も習っているんですか？

いえ、そこではアクションだけでお芝居をするのは今回が初めてで、初舞台なんです。台本を触るのも初めてなので、顔合わせのときからドキドキしています。でも、（キャストの中に）坂本監督のところで一緒にアクションを習っているキャッチャー（中澤）さんもいますし、去年、坂本監督が作られた『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』（「宇宙戦隊キュウレンジャー」のスピンオフVシネマ）で殺されちゃう役をしたのですが、その映画に出演されていた桝田（幸希）さんもいらっしゃるので、少し安心しています。顔合わせのときも皆さんやさしく話しかけてくださいましたし。

――演じる竹千代は、背負っているものが大きい複雑な役ですよね。

はい。竹千代はイヤな思いをたくさんしてきたので暗いのですが、心の中でいろんなことを考えている子だと思います。セリフじゃなく、表情で演じる役なので、キャッチャーさんにも「難しいよ」と言われました。お芝居を習ったことがないので、どういう感じにすればいいのか分からないので皆さんにたくさん習いたいと思いますし、それが楽しみです。

――竹千代の衣装を着てみていかがですか？

（身分を隠している役なので）ボロい感じと聞いていたのですが、結構派手でした（笑）。着物の帯留めも面白いですし、衣装さんが遊びで付けてくださったお人形もかわいいです！

――でも、竹千代は男の子なんですよね。

うふふ。そうなんです。でも、私、小さい頃よく男の子に間違われていたそうなんです。男の子なので、メークで眉毛を太くしたりして、ちょっとキリッとしてもらいました。

――竹千代役について、坂本総監督からは何か言われましたか？

パンフレットの撮影でポーズの指導は受けましたが、表情は監督が顔で現してくださったので、ことばでは言われませんでした。

――坂本総監督にアクションを習っていて楽しいのは、どんなところですか？

すごく楽しくかっこよく教えてくださるので、みんなずっと笑っているんです。アクションですが怖くなくて、やっていて本当に楽しいんですよ。

――それを舞台で表現するのはどうですか？

アクションを基本から習っているので、そこを出していけたらいいなと思っています。お芝居は皆さんに教えてもらって、どんどん勉強していきたいですし、この舞台がまた次の舞台につながっていったらいいなと思っています。

――今作で、遥菜ちゃん的に楽しみなところは？

ずっとフラメンコをしているのですが、フラメンコには悲しみの曲や喜びの曲などがあって、踊りで悲しみなどの気持ちを表現するのが楽しいんです。それで坂本監督が劇中でフラメンコができたらいいねと言ってくださっているので、ちょっと踊りを見せられたらうれしいなと思っています。フラメンコとアクション、ずっと習っていることをこうしてできることはうれしいですし、そういうことをやっていくのが夢なので、今回の舞台は夢への第一歩だなって感じています。