本当にただただ苦しいんだけど、お客さんの笑い声を聞いた瞬間、オールOKになっちゃうんです
――おきなわ新喜劇にとっても、ハワイ公演は一つのターニングポイントになるのでは?
「そうですね。ただ、ハワイで舞台をやれるっていう楽しみと同時に、“旅行”としても楽しみにしている劇団員がほとんどで(笑)。『自由時間あるのかな』っていうことばっかり気にしてますね。この前のオーディションで入ってきた、(仲地)智子と(宝眞榮)日也美っていう新メンバーの女の子2人は、今回初めてツアーに参加するんですけど、彼女たちからしたら、入ってまだ半年も経ってないのにハワイに行けちゃうっていう。吉本新喜劇の若手からしたら『ふざけんな』って話ですよね(笑)。あと、ハワイだけじゃなくてね、僕と川田以外のメンバーは全員沖縄在住だから、東京や大阪での公演にも、彼らの中では旅行っていう要素が一個乗っかってるんですよ(笑)。たぶんみんな、時間が空いたら観光しようって思ってるんじゃないかな。でも、全然いいんですけどね、それで。旅行でも何でも、この劇団の団結力が固まっていくことは、僕が目指していることの一つなので」
――ゴリさんも、今回のツアーは楽しみでしかない、という感じですか?
「うーん…僕は、『日本語の字幕どうしよう』とか、『字幕だと、お客さんは読んでから笑うだろうから、笑い声が収まるのを待って、セリフを割った方がいいのかな』とか、そういうことばかり考えちゃうんですよ。これが番組のロケとかだったら、僕も『自由時間あるのかな』ってなるんだろうけど。やはり僕にとって、おきなわ新喜劇は、いつもとは目線も意気込みも変えて取り組んでいるものなので。
要するに座長としては、常に今置かれている状況の次のことを考えてしまうんですね。『もっとこの劇団を知ってもらうには』『もっとお客さんを増やすには』、そういう裏方的なことも考えながら。だから、おきなわ新喜劇に関しては、ただ自分が演者として呼ばれる仕事とは、やっぱり違うんですよ。もちろん自分がウケたらうれしいんだけど、他のメンバーがウケるのも喜びなんですよね。一生懸命話し合って考えたギャグがうまいことハマったら、舞台が終わってすぐそいつのところに行って『よかったな!』って言いますもん。何ならもう、暗転中に言いますよ、一幕と二幕の間に(笑)」
――ちなみに相方の川田さんは、この劇団にとってはどういう存在ですか?
「川田の存在…なんか、遊びに来てるなって思います(笑)。舞台の上で楽しそうですもん。後輩をいじって、ケラケラ笑って。スベってる後輩がいたら、一人でうれしそうに笑ってるし」
――(笑)。若手の面倒を見るのは、やはりゴリさんの仕事なんですね。
「うん、そこは主に僕の担当かもしれないです」
――映画監督の経験もあるゴリさんですが、舞台を作る楽しさとは?
「やっぱり、快感がその瞬間に味わえるというか。これがもう、やみつきになっちゃうんですよね。『こんな風にやろうか、あんな風にやろうか』って散々考えて、何度も稽古して、『ウケるかな』って不安になりながら本番を迎えて。で、最後にドカーンとウケたときは、もうね、『キター!』って、ドーパミンがドバーッて出るんですよ。
要は、おきなわ新喜劇って、結局はこのドーパミンが欲しいがために苦労してるみたいなもので。もっと言うと、本を書いてても稽古してても、全然面白くないんですよ(笑)。本当にただただ苦しいだけで。でも、そんな苦労も、お客さんの笑い声を聞いた瞬間、『やったー!』って、オールOKになっちゃうんです」
【東京公演】
9月3日(月)
会場:ルミネtheよしもと
19:00開場/19:30開演
【大阪公演】
9月5日(水)
会場:なんばグランド花月
18:30開場/19:00開演
【ハワイ公演】
10月17日(水)
会場:ハワイ大学マノア校 オービス音楽堂
① 15:00開場/15:30開演
② 18:00開場/18:30開演
【那覇公演】
11月6日(火)・7日(水)
会場:琉球新報ホール
18:30開場/19:00開演
【石垣公演】
11月28日(水)
会場:石垣市民会館大ホール
18:30開場/19:00開演
チケット料金:
[東京・大阪]前売4000円/当日4500円
[那覇・石垣]前売3500円/当日3900円
※中学生以下=前売3000円/当日3500円
問い合わせ:
[東京・大阪]チケットよしもと(0570-550-100)
[那覇・石垣]ピーエムエージェンシー(098-898-1331)
公演HP:
http://okinawa-shinkigeki.com/