――ライブにいらっしゃるお客さんはどんな方々ですか?
岸田:年齢層は50~60代ですかね。70代も。「きみの朝」が売れた時のファンや、「1年B組新八先生」(1980年放送)世代よりも上の方が多いかな。その方たちが、家族や子どもを連れてきて、そのまま毎回一緒に来るようになるパターンもありますね。
――若いリスナーを意識されることはありますか?
岸田:どうやったら若い人たちが聴いてくれるだろうかと考えた時期もありましたけど、世代というか、時代の流れというものがあるじゃないですか。
僕の中で、若い人たち向けに音楽を作るというようなことはもう考えることではないと整理した部分はありますかね。若い人たち向けの楽曲を発表したとしても、まずそれを若者に聴いてもらえるとも思えないし。
長く活躍している、サザンオールスターズとか中島みゆきさんとか、若い人たちも聴いているアーティストがいますよね。我々がずっと作って歌ってきたものとほぼ同じ音楽性の楽曲が、なんらかの形で若い人たちにも届く可能性はなくはないということ。何かのきっかけで聴かれた時に、新鮮な曲として届くことはあると思う。
僕らはやりたい音楽を思う形でやっている。歌が持つメッセージというのは、自分がアーティストとして生きる中で生み出したメッセージで、それが時代の中で変わっていくこともあるだろうし、僕が昔作った曲を若い人が今聴いて何かを感じる可能性ももちろんあるだろうし。
僕自身が若い人たちに向けてメッセージを投げかける感じでなくても、伝わることはあると思いますね。
――ありがとうございました。最後に、ファンの方々に向けてひと言お願いします。
岸田:もうすぐ45周年を迎えますが、これまで人生の中でいろんなことを考えて歌にして皆さんと共有してきたものを、また皆さんと語り合いながらコンサートを進めていきたいなと思っています。是非いらして一緒に語り合いながら僕の歌を聴いてください!
「風景」をタイトルに付けたツアーはきっと、聴き手の心に残る思い出のシーンをいっぱいに想起させ、気持ちを浮遊させるような時間を与えてくれる公演となるに違いない。
弾き語りでも、ファミリースタイルのアットホームな編成でも、その美しいメロディーにのせて届けられる、心地よく暖かな歌声は、いっぱいの包容力で聴く者を包み込んでくれる。その心地良い時間に酔いしれてみてはいかが。
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