11月9日(金)からIHIステージアラウンド東京で、「新感線☆RS『メタルマクベス』disc3」が上演される。
本作は、2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組み、初めて挑んだシェイクスピア作品で、ロックバンドが劇中で生演奏する音楽に特化した独特なスタイルになっている。
そんな新感線の人気作が、客席が360°回転する最新鋭の劇場・IHIステージアラウンド東京で12年ぶりに再演。
キャストや演出を変えた3パターンでことし7月からはdisc1、9月からはdisc2が上演されていた。
そしてステージアラウンド版「メタルマクベス」のラストとなるdisc3でランダムスター、ランダムスター夫人を演じるのが浦井健治と長澤まさみだ。
ミュージカルを中心に活躍しシェイクスピア劇の経験も豊富な浦井と、ドラマや映画だけでなく舞台でも精力的に活動する長澤。
3チーム連続上演の締めくくりという大役を任された2人にインタビューを行い、役に対する思いや互いの印象、稽古場でのエピソードなどを聞いた。
――夫婦を演じると知った時のお互いの印象を教えてください。
浦井:それはもう長澤まさみさんですから…。
長澤:ネタだよね?(笑)
浦井:ごめん。みんながネタにしてるから(笑)。
パワーワードなんですよ! 誰もが知っているし、宮藤(官九郎)さんがもう台本に「長澤まさみ」って書いてますしね。そのスター性と国民的なメジャー感。
あと長澤さんと共通の知り合いがみんな「素直だし、笑顔がすてきだし、面白いし…」って言うんです。最後に必ず「面白いし」って (笑)。その意味も徐々に分かってきました。
あとはドーンといてくれるので、こちらが落ち着くんですよね。「力抜いていいんだな」と学ばせてもらえる存在です。
長澤:私は「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(2016年、フジテレビ系)を見て浦井さんを知りました。
優しそうな、王子様のイメージがあります(笑)。
浦井:あはは!(笑)
長澤:でもそのイメージは皆さんもおっしゃっているし、その優しさが実は自信がないというランダムスターの弱さとつながっていて、ぴったりだなという印象でした。
――すでに息がぴったりのお二人ですが、お稽古はどんな感じで進んでいますか?
浦井:初めはもうガチガチでしたね(笑)。
過去に劇団☆新感線には「薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive」(2010年)と「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ」(2012-2013年)で出演していて、2作ともシャルルというおバカな王子の役だったのですが、その頃は結構自由に笑って過ごしていました。
当時は、今回のように稽古で(劇団☆新感線主宰で演出の)いのうえ(ひでのり)さんに「健治! 健治!」と呼ばれることもなかったですし、じゅんさんからは稽古後にアドバイスを頂いています。
天才お二方の僕への接し方が以前とは全く違うから、“ランダムスターを演じる”のはこういうことかと実感しました。
長澤:私はお稽古が始まるまですごく緊張していて…。漠然とした不安が付いてまわっていたので、稽古が始まってようやく地に足がついたという感じです。
本読みの時に「夫人は悲劇の部分を全て担っている」と言われたのですが、そうすると自分自身も夫人の感情に引っ張られてしまうんですよね。
「メタルマクベス」はこのdisc3が最後だし、説得力や見応えを感じてもらいたいという気持ちから、役に入り込まなきゃという思いが強すぎたのか、しばらくは気持ちが落ち込んでいました。
でも友人から、「役を演じているだけなんだからね」と言われたことでハッと気付いて。そこから稽古が楽しくなりました。そのくらい緊張感はありますね。
人気のある作品だし、disc1、disc2と皆さんが着実に役を掴んでこなしていらっしゃるからプレッシャーは大きいですが、少しずつ自分自身も楽しんでいけるようになったらいいなと思っています。
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