―― 一生懸命走り続けた末に、一体どんなゴールが待っているのでしょうか。何かイメージはありますか?
修士「僕は、“人間力”みたいなものを高めていきたいと思ってます。この先、40代の僕らだからこそやれる漫才って絶対あると思うんですよ。ネタの内容だけやなく、口調とか雰囲気とか、立ち方であるとか。そういうのをひっくるめて僕は“マンパワー”って言うてるんですけど、マンパワーさえあれば、極端な話、30点の漫才でも100点に持っていける。たとえば僕が尊敬している中川家さんなんて、人間力の塊、マンパワーの塊ですからね」
小堀「えっ、中川家さんの漫才が30点ってこと?」
修士「えーっと…どっからそういう話になった?(笑) いや、分かりやすく言うとね、僕らのネタを中川家さんがやっても、きっとウケると思うんです。でも、中川家さんのネタを僕らがやったら間違いなくスベる(笑)。笑い飯もそうやと思うんですけど、中川家さんや笑い飯は、たとえ30点の漫才をやったとしても、100点にできる能力を持ってるコンビなんです。もちろん、オール阪神・巨人さん、ザ・ぼんちさんといった師匠たちもそうやと思いますし。僕らも頑張って、その域に到達したいなと」
――人間力というのは、技術とは関係ない部分だから難しいですよね。訓練で身に付くものでもありませんし。
修士「そうなんですよ。まぁとにかく、いろんな人やモノを見続けて、やり続けることが大事なんでしょうね。その中で、吸収できるものはどんどん自分の中に溜め込んで。そうやって探し続けるしかない。そういう意味では、『百式』を毎年続けてることも、絶対にプラスになってると思いますし」
――“一生懸命”が、やがて血となり肉となる、と。
修士「そうですね。何事も一生懸命やれば、それなりの結果がついてくる。この人(小堀)も、バンドに落語、DJ…何一つ結果が出てへんやないか!!」
小堀「ふふふ(笑)。僕ね、相方だけやなく、相方の奥さん(野々村友紀子)からもよく怒られるんですよ。バンドやってたら『弾き語るな!』、DJをやったら『人のCD、つけたり消したりすな!』いうて。正直、なんで怒られるのか意味が分からない」
修士「いやいや、バンドもDJも、一生懸命やってたら誰も怒らへんねんて。一生懸命やってるか?」
小堀「うん、全部一生懸命」
修士「でもDJは、酒飲みながらやってるんやろ?」
小堀「それもパフォーマンスやから」
修士「どういうパフォーマンス?」
小堀「“この人、お酒飲んで楽しんではるなぁ”っていう」
修士「楽しんでるの、おまえだけや(笑)。バンドのメンバーから、全然練習せえへんってよう聞くで」
小堀「だってベースやもん」
修士「なんで? ベーシストは頑張らへんの?」
小堀「シド・ヴィシャスを目指してるんで」
修士「おまえにそんなカリスマ性はない!」
――(笑)。でも野々村さんも、2丁拳銃の漫才の面白さは認めてらっしゃいますよね。
小堀「はい、ありがたいことですね」
――ただ、「深イイ話」の密着企画の影響なのか、「小堀さん=クズ」というイメージばかりが先行して世間に広がってきていませんか?
修士「そうですねぇ。『でも実はクズじゃない』って言えたらかっこいいんですけどね、彼は本物のクズなんですよ(笑)」
小堀「最近、子供から指をさされるようになったんです。『あ~、ヘドロパパや!』って。ヒーローものの悪役の気分というか、うれしいような寂しいような、妙な気分になりますね(笑)」
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